清藤 盛子

『交友関係における世代間比較』

〜課外活動を中心にして〜

key word: 交友関係 課外活動 友人の選択理由


【問題】


 学校内外の活動と生活の場は、単なる知識、技能の習得にとどまるのではなく、その仲間集団における社会化、個性化の発達に及ぼす影響は大きいものであると考えられる。現代は、受験戦争により学習塾に通う子どもも増え、放課後には毎日塾やお稽古事に通う事が珍しくない時代である。杉江ら(1984)は、塾の交友関係について小学生に調査を行った。今回の調査は、この杉江らの調査を基に、学校以外の活動での交友関係に焦点を置き、交友関係のきっかけについて調査を行った。


【方法】


 被験者:小学生男子92名、女子66名

      中学生男子35名、女子26名

      大学生男子24名、女子24名

 質問紙:杉江らの質問紙を基に、@:学校内でいつも仲良くしている人。A:休みの日などにいつも仲良くしている人。B:塾やお稽古事、サークルなどでいつも仲良くしている人。を5人まで記名してもらい、その理由を相互的接近、同情・愛着、尊敬・共鳴、集団的共同という4つのグループに分けられる13個の選択肢から選んでもらった。最後にその記名した友人の中から最も仲良くしていた友人を3人まで挙げてもらった。


【結果】


 課外活動の交友関係における被選択者数をまとめたものが図1である。課外活動での交友関係において、ほとんどの世代で5人の記名欄いっぱいに記名したものが一番多かった。しかし、学校内・学校外の交友関係に比べてばらつきが出た。また、女性よりも男性のほうが選択人数が多かった。

 友人の選択理由において杉江らの研究とは異なり、課外活動の友人の選択理由は、同情・愛着ではなく尊敬・共鳴としている人が最も多く、その中でも「気が合うから」という理由が多かった。


【考察】


 以上の結果から、課外活動での友人は学校内・学校外の友人よりも少ない事が分かった。やはり過ごす時間の多い学校での生活は友人ができる確率が一番多いのであろう。そして女性よりも男性の方が交友関係の幅が広いことがわかった。

 また、大学生の小学校時代でのみ見られた「家が近いから」という選択理由は、その後の世代やどの時期においても見られなかった。これは、課外活動の場に集まる人が広範囲の地域から集まるようになったということが分かった。ほぼ100%の人が課外活動を行っている現代では、課外活動は、学校とは違った友人関係が成立し、友達の幅をひろげる場でもあるのだろう。また、今回の研究では中学生・大学生の小学校・中学校時代といった過去の記憶に基づいての調査を行ったが、細かい時期を特定しなかったため、曖昧なデータになってしまった。今後は時代だけでなく学年の指定を行うことで、データを揃え、より確実な結果を得ることができるだろう。


【参考文献】


 杉江修治 伊藤篤 青木滋昌  1984 塾の交友関係 中央大学教養論