第75回 箱根駅伝の結果
99.01.03 T.Takai
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 駒沢大学陸上部、33回目の出場にして、最大の期待がかかった ’99年第75回箱根駅伝。初日、各選手の堅実なレース運びと、エースの激走で、駒大は見事往路初優勝に輝きました。
 2日目は、駒大にとって初の総合優勝の夢が大きく広がりました。しかし、各選手の健闘及ばず、名門順天堂大学の底力に、 惜しくも後塵を拝する結果となりました。

 ともあれ、一昨年は新記録での復路初優勝、今年は往路初優勝と総合2位。悲願の総合優勝こそ、来年以降に持ち越しとな りましたが、着実に箱根制覇に向けて突き進む駒大陸上部。これからも皆んなで応援して行きましょう。


記録

 以下では、今年の結果をまとめてみました。
箱根駅伝記録速報サイトの生データを加工してあります。

往路 上位3校の各中継点通過タイムと通過順位
大学 順天堂 駒沢 神奈川
通過タイム 順位 通過タイム 順位 通過タイム 順位
1 1:04:23 8 1:04:04 2 1:04:04 2
2 2:11:09 1 2:12:33 2 2:15:50 10
3 3:15:52 1 3:18:12 2 3:20:08 6
4 4:20:14 2 4:19:08 1 4:23:46 5
5 5:34:13 2 5:32:23 1 5:40:29 6
復路
 区  通過タイム 順位 通過タイム 順位 通過タイム 順位
6 6:34:15 2 6:32:43 1 6:38:35 5
7 7:40:00 2 7:38:08 1 7:44:33 4
8 8:47:22 2 8:46:24 1 8:50:40 3
9 9:56:39 1 9:58:12 2 10:01:50 3
10 11:07:47 1 11:12:33 2 11:17:00 3

 駒大と順天堂、2校の差は、1区から9区まで常に2分以内という接戦。しかし、9区10区に力 のある選手を残していた順天堂、この最終2区間だけで、駒大より5分44秒も良いタイムをたたき出す。結果、ゴールでは駒大に 4分46秒の大差をつけての完勝。

 優勝候補の神大は、大後コーチの読みどおり、復路で駒大との差を3分39秒詰めるも、往路で8分6秒の大差をつけられてい ては如何ともし難く、3連覇達成ならず。

上位3校の各区間タイムと区間順位
往路
大学 順天堂 駒沢 神奈川
区間タイム 順位 区間タイム 順位 区間タイム 順位
1 1:04:23 8 1:04:04 3 1:04:04 2
2 1:06:46 1 1:08:29 2 1:11:46 12
3 1:04:43 3 1:05:39 8 1:04:18 1
4 1:04:22 8 1:00:56 1 1:03:38 3
5 1:13:59 3 1:13:15 2 1:16:43 11
復路
 区  区間タイム 順位 区間タイム 順位 区間タイム 順位
6 1:00:02 4 1:00:20 6 0:58:06 1
7 1:05:45 4 1:05:25 3 1:05:58 5
8 1:07:22 3 1:08:16 4 1:06:07 1
9 1:09:17 1 1:11:48 4 1:11:10 2
10 1:11:08 1 1:14:21 7 1:15:10 11
※ グレー部分は4年生が出場した区間。駒大・神大の両校は、来年、エースを含む4年生4人が抜ける。
一方、順天堂の4年生は2人だけ、1,2年生が6人の若いチーム。名門、順天堂の復活は、今年、総合
制覇の千載一遇のチャンス を逸した駒大に、大きな壁として立ちはだかるか。

 順天堂は、3区間で区間賞を奪い、しかも、うち2つは区間新の大駆け。平均順位でも、 3.6位の安定感は、
さすが今年の実力No1。
 1万m持ちタイムでは、神大と1、2を争う駒大。しかも、出雲、伊勢の2大会を制覇してきた実績から、各選
手 力通りの走りをすれば、箱根も自ずと優勝・・・のはずでした。各選手が、ブレーキさえ起こさなければ、と考
えたとして も無理はありません。実際、駒大の平均順位は、4位、区間4位以内が7区間という安定感は、さす
がでした。藤田選手の 4区区間新も素晴らしかった。しかし、区間賞はこの1つのみ。順天堂の爆発力には、及
びませんでした。
 実力のある神奈川大は、さすがに3区間で1位を奪いました。しかし、10位以上のブレーキが3区間というの
は 予想外、すべて帳消しになってしまいました。

レースの経過
タイム差グラフ

 順天堂は、2区エース三代選手の区間新で、トップにたつ。神奈川大は、2区で大ブレーキ。
4区では、駒大がエース藤田選手の驚異的区間新で、2分以上の差を一気に逆転、さらに1分
以上差をつける。5区山登りで は、駒大のスーパールーキー神屋選手が、区間2位の快走。
2位順天堂との差を1分50秒まで広げて、感動のゴール。駒大 は、往路初優勝に輝きました。

 復路に入り、トップの駒大は6区7区では堅実な走りをするも、順天堂との差を2分以上に広げ
ることができない。 8区では1分まで差を詰められ、そして、駒大が一番恐れていた9区。順天
堂は、復路最強の呼び声も高い、高橋謙介選手。 順天堂の期待を乗せて、区間新の見事な走
りを見せ、駒大を逆転、さらに1分33秒もの差をつける。最終10区。勢いに乗 る順天堂は、2年
生宮崎選手が区間1位の快走。2位駒大以下に大差をつけてのゴールとなりました。

 山梨学院・駒大・神大のYKKが優勝候補と目された本大会。前評判では、それほど騒がれな
かった順天堂。実際には、 各選手の1万m持ちタイムをみてみると、なかなか優秀。また、優勝
候補でなかっただけに、メンバーそれぞれが、伸び伸びと 力を出し切っていたようにも見えました。
駒大の最大の敵は、新興勢力のライバルYKではなく、箱根一本に絞って、虎視眈々 と名門復活
を狙っていた順天堂だったのです。

各選手持ちタイムに基づく計算
各区登録選手の1万mベストタイム
 区   Km   順天堂   駒沢   神奈川 
1 21.3 29'39"96 28'41"60 28'40"20
2 23.0 28'30"87 28'33"10 28'43"10
3 21.3 29'59"00 29'08"20 29'16"80
4 20.9 29'56"50 28'40"16 29'26"60
5 20.7 30'25"60 28'46"80 29'02"40
6 20.7 29'09"40 29'19"70 28'58"50
7 21.2 29'40"62 29'23"60 28'45"10
8 21.3 29'43"24 29'37"70 29'14"80
9 23.0 28'44"51 28'59"70 29'23"0
10 23.0 29'40"0 29'53"30 29'29"30
  平均 29'32"97 29'06"39 29'05"96

1万mベストのペース×区間距離でのタイム計算値(分)
往路 318.20 308.34 311.14
復路 320.91 321.56 318.63
総合 639.11 629.90 629.77
※ 往路・復路にバランスをとった順天堂。駒大・神大は、定跡通り、往路で差をつけて逃げ切りのオーダー。

実際にかかったタイム(分)
往路 334.22 332.38 340.48
復路 333.57 340.17 336.52
総合 667.78 672.55 677.00

 今回の駅伝、順天堂は、復路9区10区のあざやかな走りで、優勝を手中にした・・・と、 誰もがそう見るでしょう。
しかし、その布石を敷いたのは、往路5人の選手達の頑張りでした。往路を、順天堂の各選手は、 平地1万mベス
トタイムで計算した理屈上のタイムと比べて、わずか16分差でカバーしています(駒大は24分差、神大は 29分
差)。往路は、5区の急な山登りを含む各区20Km以上。5区だけでも、平地での記録より10分以上は割り引いて
考 える必要があるはずです。つまり、順天堂の前半5人の選手は、この難コースを、全員が自己ベストに近いペー
スで走り切っ たと言えます。この結果、持ちタイムで10分近くも上回る駒大に、わずか1分50秒という僅差で往路
をまとめてしまいま した。目立たないけれど、ここに大きな勝因がありました。この辺りが、優勝経験9回の伝統の
力なのかもしれません。

 出雲、伊勢に続き箱根往路を初制覇し、あとは総合優勝あるのみと意気上がる駒大。往路の神大と山梨学院の
予想 外の不振を見て、「明日の戦いは楽になった」と、やや守りに入ったとしたら、それは大きな誤算でした。復路
の持ちタイ ムで、わずかながらも駒大を上回る選手を配していた順天堂、百戦錬磨の沢木監督。きっと、この時点
で、したたかに勝利 を計算していたに違いありません。
 強い順天堂が復活しました。1・2年生主体のこのチ−ムは、来年はさらに強くなるでしょう。そして、神大、山梨
学院も巻き返しに躍起となるでしょう。益々競争が激しくなる箱根駅伝ですが、負けるな駒大。来年こそ総合制覇
目指して、 頑張って下さい。

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