第 10 課 - レイヤ 3 : ルーティングとアドレッシング

ネットワークアドレス 【network address】
住所に例えることができる。階層的アドレッシング方式である。
MACアドレス 【Media Access Control address】
名前に例えることができる。平面的アドレッシングである。
IPアドレス = ネットワーク番号 + ホスト番号
32ビットの長さで、8ビットずつにドットで分けられ、10進数で表される。
10000011 0110110 01111010 11001100
⇒131.108.122.204
パケット = データ + IPヘッダー
バージョン:現在使用している IP のバージョン番号を示します(4 ビット)。
IP ヘッダー長(HLEN):データグラム・ヘッダー長を 32 ビットの単位で表します(4 ビット)。
タイプ・オブ・サービス:特定の上位層プロトコルによって割り当てられた重要度を示します(8 ビット)。
合計長:IP パケット全体(データとヘッダーを含む)の長さをバイト数で示します(16 ビット)。
識別情報:現在のデータグラムを識別する整数が入っています(16 ビット)。
フラグ: 3 ビットのフィールドで、下位 2 ビットがフラグメント化の制御に使われます。1 ビットはパケットのフラグメント化が可能かどうかを示し、2 番目のビットは、パケットが一連のフラグメント化パケットの最後のフラグメントであるかどうかを示します(3 ビット)。
フラグメント・オフセット:データグラム・フラグメントをつなぎ合せるためのフィールド(3 ビットのフラグを含む 13 ビット)。
生存可能時間(TTL):徐々に小さくなって、最終的にゼロになるカウンタ。ゼロになると、データグラムが破棄されるので、パケットが永遠にループすることはありません(8 ビット)。
プロトコル: IP 処理の完了後に、どの上位層プロトコルが着信パケットを受け取るかを示します(8 ビット)。
ヘッダー・チェックサム: IP ヘッダーの整合性を保証します(16 ビット)。
送信元アドレス:送信側ノードを示します(32 ビット)。
宛先アドレス:受信側ノードを示します(32 ビット)。
オプション:IP がセキュリティ機能などのさまざまなオプションをサポートできるようにします(可変長)。
データ:上位層の情報が入っています(可変長、最大 64Kb)。
パディング:IP ヘッダーが 32 ビットの倍数であることを保証するために、このフィールドをゼロで埋めます。
IPアドレスのクラス
クラス A:0******* ******** ******** ********
2 進形式で表した場合、クラス A のアドレスの最初(1 番左側)のビットは常に 0 です。クラス A の IP アドレスの最初のオクテット(8ビット)は 0 〜 126 です。 クラス A の IP アドレスでは、アドレスのネットワーク部分を最初の 8 ビットだけで識別します。残りの 3 つのオクテットは、アドレスのホスト部分に使えます。クラス Aでは、1 つのネットワークに最大 2 の 24 乗(224)- 2 個、つまり 16,777,214 個の IP アドレスをネットワーク機器に割り当てることができます。
クラス B:10****** ******** ******** ********
クラス B のアドレスの最初の 2 ビットは常に 10(1 と 0)です。 クラス B の IP アドレスの最初のオクテットは 128 〜 191 です。 クラス B の IP アドレスでは、アドレスのネットワーク部分を最初の 16 ビットで識別します。残りの 2 つのオクテットは、アドレスのホスト部分に使えます。クラス B では、1 つのネットワークに最大 2 の 16 乗(216)‐ 2 個、つまり 65,534 個の IP アドレスをネットワーク機器に割り当てることができます。
クラス C:110***** ******** ******** ********
クラス C のアドレスの最初の 3 ビットは常に 110(1、1、0)です。クラス C の IP アドレスの例は、201.110.213.28 です。最初の 3 つのオクテットは、ARIN から割り当てられたネットワーク番号を識別します。残りの 8 ビットは、内部のネットワーク管理者が割り当てます。最初のオクテットを見れば、使用する機器がクラス C のネットワーク機器かどうかを見分けられます。クラス C の IP アドレスの最初のオクテットは 192 〜 223 です。 クラス C の IP アドレスでは、アドレスのネットワーク部分を最初の 24 ビットで識別します。クラス C では、最後の 1 つのオクテットだけでアドレスのホスト部分に使います。クラス C では、1 つのネットワークに最大 2 の 8 乗(28)‐ 2 個、つまり 254 個の IP アドレスをネットワーク機器に割り当てることができます。
ネットワークアドレス
ホスト部分が全て 2 進数の 0 のアドレス
131.108.0.0
ブロードキャストアドレス
ホスト部分が全て 2 進数の 1 のアドレス
131.108.255.255
サブネットアドレス
ネットワークをサブネットワークに分割する為に用いる。
サブネット・アドレスを作成するために、ホスト・フィールドからビットを借りて、サブネット・フィールドとして設定します。
ネットワーク + ホスト
⇒ネットワーク + サブネット + ホスト

クラスBネットワーク172.18.0.0から1000個のサブネットを作成する。

  1. まず、サブネットマスクを求める。
    ホスト部分(16ビット)から何ビットを借りて、サブネットとすれば良いか:
    サブネット数 2 4 8 16 32 64 128 256 . 512 1024 2048 4096 8192 16384 32768 65536
    ホストから借りるビット 1 1 1 1 1 1 1 1 . 1 1 0 0 0 0 0 0
    従って、サブネットマスクは11111111.11111111.11111111.11000000=255.255.255.192である。 結局、サブネットマスクは26ビットなので、これを172.18.0.0/26と表すこともある。
  2. このサブネットマスクでできるサブネットワークを求める。
    まず、一番最初のサブネットワーク172.18.0.0と、一番最後のサブネットワーク172.18.255.192は使用できないことに注意する。(従って、実際に使用可能なサブネットワーク数は1022個である。)
    また、各サブネットの最初のアドレスは、そのサブネットのブロードキャスト・アドレスであり、各サブネットの最後のアドレスはネットワーク・アドレスの一部であるため、これらのアドレスも使えない
    使用可能なネットワーク番号の先頭から1番目のネットワークアドレスを求めておくと良い:
    10進数 128 64 32 16 8 4 2 1 . 128 64 32 16 8 4 2 1
    2進数 0 0 0 0 0 0 0 0 . 0 1 0 0 0 0 0 0
    1番目のネットワークアドレスは、172.18.0.64となり、172.18.0.0から0.0.0.64ずつ増えていく。
    よって、使用可能なサブネットワークと使用可能なアドレス範囲は次のようになる。
    ネットワーク番号 使用可能なアドレス範囲
    172.18.0.64 172.18.0.65 - 172.18.0.126
    172.18.0.128 172.18.0.129 - 172.18.0.190
    172.18.0.192 172.18.0.193 - 172.18.0.254
    172.18.1.0 172.18.1.1 - 172.18.1.62
    172.18.1.64 172.18.1.65 - 172.18.1.126
    172.18.255.128 172.18.255.129 - 172.18.255.190

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