第 5 課 - レイヤ 1 : メディア、接続、衝突
- STP
(Shielded Twist Pair cable)【シールド付きより対線】
通信ケーブルの種類の一つ。銅でできた線材を2本ずつより合わせ、シールドしたもの。Ethernetなどの配線に用いられる。シールドされている分UTPより高いが、対ノイズ性能ではUTPに勝る。一般家庭や通常のオフィス環境ではUTPが使用されるが、工場などノイズの多い場所ではSTPが使われる。
- UTP
(Unshielded Twist Pair cable)【非シールドより対線】
通信ケーブルの種類の一つ。銅でできた線材を2本ずつより合わせたケーブルで、シールドしていないもの。Ethernetなどの配線に用いられる。シールドされていない分STPより安いが、対ノイズ性能ではSTPに劣る。一般家庭や通常のオフィス環境ではUTPが使用されるが、工場などノイズの多い場所ではSTPが使われる。
- 同軸ケーブルは、1 本の内部ワイヤと、それを囲む中空の外部円筒導体の 2 つの要素で構成されています。ケーブルの中心にある要素の 1 つは銅の導体です。その周囲には、柔軟性のある絶縁体の層があります。この絶縁材の上側には編み込んだ銅の編組または金属箔があり、回路内で第 2 のワイヤと内部導体のシールドとして機能します。この第 2 層またはシールドが、外部干渉の大きさを低減する助けになります。このシールドを囲んでいるのが、ケーブルの被覆です。
- 光ファイバ
(optical fiber)
ガラスやプラスチックの細い繊維でできている、光を通す通信ケーブル。非常に高い純度のガラスやプラスチックが使われており、光をスムーズに通せる構造になっている。
光ファイバーを使って通信を行なうには、コンピュータの電気信号をレーザーを使って光信号に変換し、できあがったレーザー光を光ファイバーに通してデータを送信する。
光ファイバーケーブルは、電気信号を流して通信するメタルケーブルと比べて信号の減衰が少なく、超長距離でのデータ通信が可能である。また、電気信号と比べて光信号の漏れは遮断しやすいため、光ファイバーを大量に束ねても相互に干渉しないという特長もある。
光ファイバーで実現できる通信速度は従来のメタルケーブルと比べて段違いに速く、既に研究室レベルでは1Tbps(1000Gbps)以上の転送速度を実現した例が報告されているほか、さらなる高速化を目指した研究が盛んになっている。
- ISO(International Organization for Standardization)【国際標準化機構】
工業標準の策定を目的とする国際機関で、各国の標準化機関の連合体。1947年に設立され、現在では147カ国が参加している。本部はスイスのジュネーブ。
- IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)【電気電子学会】
電気・電子分野における世界最大の学会。1963年にAIEE(American Institute of Electrical Engineers:米国電気学会)とIRE(Institute of Radio Engineers:無線学会)が合併して発足した。本部はニューヨーク。世界150カ国に38万人以上の会員がいる。
エレクトロニクスに関する学会を開いたり、論文誌を発行したり、専門委員会を開いて技術標準を定めたりしている。コンピュータの世界ではLANの規格を定めた802シリーズの標準が特に有名である。
- EIA(Electronic Industries Alliance)【電子工業会】アメリカの電子産業の業界団体。本部はバージニア州アーリントンにある。電子産業に関する調査・統計の発表や、各種技術の標準化、政府の提言などを行っている。
- TIA(Telecommunications Industry Association)【通信工業会】
TIA/EIA 規格
ネットワーキング・メディアの規格に対しては TIA/EIA が最も大きな影響力を持っています。特に TIA/EIA-568-A と TIA/EIA-569-A という規格は、今もネットワーキング・メディアの技術性能に関して最も広範に使われています。
TIA/EIA 規格は、次のような LAN ケーブリング・プロセスの 6 つの要素について定めています。
- 水平ケーブリング
- テレコミュニケーション・クロゼット
- バックボーン・ケーブリング
- 機器室
- ワークエリア
- エントランス・ファシリティ
- カテゴリー5(category 5 cable)アメリカ通信工業会(TIA)とアメリカ電子工業会(EIA)のTIA/EIA-568-A規格で規格化されているUTPケーブルの電気特性グレードの一つで、100MHzまでの帯域を使って通信できる規格。ISO/IEC規格ではクラスCに相当する。100BASE-TXやATM(155Mbps)、CDDIなどに使用することができる。
レイヤ 1 のコンポーネントと機器
- 10BASE-T
Ethernetの規格の一つ。より対線(UTP)をケーブルに利用し、集線装置(ハブ)を介して各機器を接続するスター型LANで、通信速度は10Mbps、最大伝送距離は100mまでである。ハブの多段接続は3段階まで。
- RJ-45
ケーブルをつなぐコネクタ形状の一つ。EthernetケーブルやISDN回線などで使われる、8芯のモジュラ式コネクタ。電話回線で使われるRJ-11に形状が似ているが、こちらのほうが一回り大きい。ノイズ耐性などにより複数の「カテゴリ」に分かれ、カテゴリが高いほど品質が高く高価である。
- より対線
(twisted pair cable)【ツイストペアケーブル】
電線を2本づつ撚り合わせて対にした通信用ケーブル。平行型の電線に比べてノイズの影響を抑えることができる。各ペアの周りに、雑音を遮断するシールド加工を施したものを「STP(shielded twisted pair)」ケーブル、シールドしていないものを「UTP(unshielded twisted pair)」ケーブルという。
- トランシーバ(tranceiver)
ネットワークケーブルとコンピュータの間や、ケーブル同士の間に立って信号を中継する装置。ケーブルを流れる信号をチェックし、衝突を検出する機能も持つ。
10BASE-5や光ファイバーケーブルでネットワークを組む場合、まずコンピュータとトランシーバとを接続し、トランシーバを経由してネットワークケーブルと接続することになる。
なお、10BASE-5ケーブルに複数接続する場合にはトランシーバ間の間隔を2.5mの整数倍にする必要があるため、無用にケーブルが長くならないようマルチポート・トランシーバも存在する。
- リピータ
(repeater)
ネットワークにおいて、ケーブル上を流れる信号の再生および中継を行なう機器。何段階ものリピータを通して送られてきた信号は波形が歪んで解釈できなくなるため、Ethernetなどでは通常、3段階程度までしか接続できない。また、単純に片方から送られてきた信号を片方に送出するだけなので、本来中継しなくてもよい信号(エラーパケットや同じセグメント内の通信など)も中継してしまう。OSI参照モデルでいう物理層(第1層)の中継機器。
- マルチポート・リピータ(ハブ)(hub)
スター型LANで使われる集線装置。各機器に接続されたケーブルはいったんハブに接続され、ハブを介して相互に通信する。Ethernetではハブ同士を接続してネットワーク全体に接続できる機器の台数を増やすことができる。これをカスケード接続という。カスケード接続では、ネットワークの端から端まで通常は3〜4段階程度までハブを接続することができる。
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