第 7 課 - レイヤ 2 : テクノロジー
- トークン (token)
- 制御情報を記録したフレーム。トークンを保持しているネットワーク機器は、ネットワークにデータを送信する権利をもつ。
- トークン・パッシング (token passing)
- アクセス方式の 1 つで、トークンと呼ばれる小さなフレームを受け渡しながら、ネットワーク機器が物理メディアに順番にアクセスする。
- トークンリング (Token Ring)
- IBM が開発し、サポートしているトークン・パッシング型 LAN。トークンリングはリング・トポロジを使用し、4Mbps または 16Mbps で動作する。IEEE 802.5 に類似している。
- IEEE 802.5
- 物理層とデータ・リンク層の MAC 副層の実装を規定する IEEE LAN プロトコル。IEEE 802.5 は、STP ケーブリング上で 4Mbps または 16Mbps のトークン・パッシング・アクセスを使用し、IBM トークンリングと似ている。
- FCS
- Frame check sequence (フレーム・チェック・シーケンス) の略。エラー制御の目的でフレームに追加される文字。HDLC、フレーム・リレー、およびその他のデータ・リンク層プロトコルで使われる。
- マンチェスタ符号化(Manchester encoding)
- デジタル符号化方式の 1 つ。各ビットの中央で発生する電圧遷移を利用して同期を行う。「1」を電圧の立ち上がり、「0」を立ち下がりと定義している。この手法は IEEE 802.3 およびイーサネットで使われている。
- FDDI
- Fiber Distributed Data Interface (ファイバ分配データ・インターフェイス) の略。ANSI X3T9.5 で定義される LAN 標準。光ファイバ・ケーブルを使用し、最大伝送距離が 2km の 100Mbps トークンパッシング・ネットワークを指定する。FDDI は 2 重リング・アーキテクチャを使って冗長性を提供する。
- LLC
- Logical Link Control (論理リンク制御層) の略。IEEE によって定義されたデータ・リンク層の 2 つの副層のうち、上位にあるもの。LLC 副層は、エラー制御、フロー制御、フレーム作成、MAC 副層アドレッシングを処理する。最も広く使われている LLC プロトコルは IEEE 802.2で、コネクションレスとコネクション型の 2 つの変種がある。
- MAC
- Media Access Control (メディア・アクセス制御) の略。IEEE から指定されたデータ・リンク層の 2 つの副層のうちの下位のもの。MAC 副層は、たとえば、トークン・パッシングを使うかコンテンションを使うかなど、共有メディアへのアクセス方法を制御する。
- PHY
- Physical sublayer (物理副層) の略。FDDI の 2 つの物理副層のうちの 1 つ。
- PMD
- Physical Medium Dependent(物理メディア依存) の略。FDDI 物理層の副層で、物理メディアと直接インターフェイスし、ネットワークの最も基本的なビット伝送機能を実行する。
- SMT
- Station Management (ステーション管理) の略。ANSI の FDDI 仕様で、リング・ステーションの管理方法を定義する。
- イーサネット 【Ethernet】IEEE 802.3
- Xerox社とDEC社(現在はHewlett Packard社の一部門)が考案したLAN規格。EthernetはIEEE 802.3委員会によって標準化された。アクセス制御にはCSMA/CDを採用している。
- 現在、特殊な用途を除いて、ほとんどのLANはEthernetである。
- Ethernetの接続形態には、1本の回線を複数の機器で共有するバス型と、集線装置(ハブ)を介して各機器を接続するスター型の2種類がある。また、最大伝送距離や通信速度などによってもいくつかの種類に分かれる。
- 10BASE-2はケーブルに細い同軸ケーブル(Thin coax)を利用した、通信速度10Mbps、最大伝送距離185m、最大接続機器数30台のバス型LAN。10BASE-5は太い同軸ケーブル(Thick coax)を利用した、通信速度10Mbps、最大伝送距離500m、最大接続機器数100台のバス型LAN。最も広く利用されている10BASE-Tは、より対線(UTP)を利用した通信速度10Mbps、最大伝送距離100mまでのスター型LAN。ハブの多段接続は3段階までである。
- CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)
- 「搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式」の略。LANで利用される通信方式の一つで、Ethernetがこれを採用している。データを送信したいノード(機器)はケーブルの通信状況を監視し(Carrier Sense)、ケーブルが空くと送信を開始する。このとき、もし複数のノードが同時に送信を開始するとケーブル内でデータが衝突して壊れるので(Collision Detection)、両者は送信を中止し、ランダムな時間待って送信を再開する。この方法に従うと、1本のケーブルを複数のノードが共有して、互いに通信する(Multiple Access)ことができる。
- コリジョン 【collision】
- Ethernet上で、同一の伝送路に異なる端末からほぼ同時にデータが送出されることによって発生する信号の衝突現象のこと。信号が衝突すると異常な電気信号が発生されるためにデータが破損してしまう。
- 送信を試みた端末はコリジョンによって発生した異常信号を検出すると、他の端末に送受信の中止を要求する信号(ジャム信号)を送出し、伝送路が回復してから再送信を行う。
- 半二重 【half duplex】
- 双方向通信において、同時に双方からデータを送信したり、受信したりすることができず、時間を区切って片方向からの送信しかできない通信方式のこと。双方向にデータをやり取りするためには、定期的に通信の向きを切り替えて対応することになるが、単一の帯域でデータ通信ができるという簡易さがある。初期のモデムなどの通信機器では半二重方式しかサポートされていなかった。
- 全二重 【full duplex】
- 双方向通信において、同時に双方からデータを送信したり、受信したりすることができる通信方式のこと。一つの周波数帯で行えるデータ通信は1方向に限定されるため、回線を上り用と下り用の2本分用意するか、もしくは1つの回線の向きを定期的に逆転させて使用するが、前者の場合を全二重通信、後者の場合を半二重通信という。例えば、Ethernetの100BASE-TX仕様では全二重通信を行なった場合、上りまたは下りはそれぞれ100Mbpsの速度だが、ケーブル上の転送速度は最大で実質2倍の情報量を転送しているといえる。
- ブリッジ 【bridge】
- ネットワークにおいて、ケーブルを流れるデータを中継する機器。OSI参照モデルでいうデータリンク層(第2層)の中継機器である。
- 単純にすべての電気信号を再生するだけのリピータと違って、転送先のMACアドレスを見て適切なポートにのみ信号を中継する。
- EthernetとFDDIなど、媒体の異なるネットワーク間を中継する機能を持ったものもある。
- レイヤ2スイッチ 【layer 2 switch】
- ネットワークの中継機器の一つで、OSI参照モデルのデータリンク層(第2層)のデータでパケットの行き先を判断して転送を行なうもの。
- データリンク層のプロトコルにはEthernetなどで馴染み深いMAC(メディアアクセス制御)があり、MACアドレスを見てデータ行き先を決定するEthernetの中継装置をスイッチングハブという。
- IPやTCP、HTTPなどのプロトコルはネットワーク層(第3層)以上に位置するため、レイヤ2スイッチはこうしたプロトコルの違いを気にせず使用できる。
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