3次元多様体 M 内に適切に埋め込まれた2次元円盤 D は、次を満たすとき非本質的であるという。
D が非本質的でないとき、D は本質的であるという。
3次元球体内に適切に埋め込まれた円盤は非本質的である。
V をトーラス体、D を M 内に適切に埋め込まれた円盤とするとき、次の条件が互いに同値であることを示せ。
3次元多様体 M 内に適切に埋め込まれた2次元球面 S は、次を満たすとき非本質的であるという。
S が非本質的でないとき、S は本質的であるという。
M を3次元多様体とし、F を M 内に適切に埋め込まれた曲面、又は ∂M 内に含まれる曲面とする。ただし、F は2次元球面又は2次元円盤ではないとする。
M 内に次を満たす2次元円盤 D が存在するとき、D を F の圧縮円盤(compressing disk)といい、F は圧縮可能(compressible)であるという。
F が圧縮可能のとき、F を ∂D で切り開き(cut)、切り口となる2つの閉曲線に沿って D に平行な2枚の円盤を貼り合わせる(paste)と新たな曲面 F' が得られる。 このような操作を圧縮(compression)といい、F' は F から D に沿って圧縮して得られたという。(一般に、このような技法を切り貼り論法(cut and paste argument)という。)
F が圧縮可能でないとき、F は圧縮不可能(incompressible)であるという。
2次元円盤と2次元球面に対しては、それらが本質的であるとき圧縮不可能、非本質的であるとき圧縮可能という。
M を境界が空でない 3次元多様体とする。∂M が M 内で圧縮可能のとき、M は境界可約(∂-reducible)といい、圧縮不可能であるとき、M は境界既約(∂-irreducible)という。
M を3次元多様体とし、F を M 内に適切に埋め込まれた曲面とする。
M 内に次を満たす2次元円盤 D が存在するとき、D を F の境界圧縮円盤(∂-compressing disk)といい、F は圧縮可能(compressible)であるという。
F が境界圧縮可能のとき、F を α で切り開き、切り口となる2つの弧に沿って D に平行な2枚の円盤を貼り合わせると新たな曲面 F' が得られる。 このような操作を境界圧縮(∂-compression)といい、F' は F から D に沿って境界圧縮して得られたという。
F が境界圧縮可能でないとき、F は境界圧縮不可能(∂-incompressible)であるという。
M を 3次元多様体とし、F を M に適切に埋め込まれた曲面とする。 F が次を満たすとき、境界平行(boundary parallel、∂-parallel)という。
3次元多様体内に適切に埋め込まれた曲面が、圧縮不可能かつ境界圧縮不可能かつ、境界平行でないとき、本質的(essential)であるという。
ハンドル体内に適切に埋め込まれた本質的な曲面は、ディスクのみであることを示せ。