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秘密の地図展示中 ~駒澤大学所蔵外邦図展~
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秘密の地図展示中 ~駒澤大学所蔵外邦図展~
平成20年5月12日(月)~30日(金)
会期延長しました


開催にあたって

駒澤大学文学部地理学科教授
駒澤大学マップ・アーカイブズ顧問 佐藤 哲夫


このほど「駒澤大学マップ・アーカイブズ」の活動の一端が公開されることになった。
外邦図の整理・研究は,すでにいくつかの大学で進められているが,本学での特徴は,学生諸君がボランティアとして独力で行ってきたことである。
この活動は2004年に,現在は名誉教授となられた中村和郎先生の指導の下で始められ,博物館学講座の太田喜美子先生応用地理研究所のご助力を得ながら,地理学科と歴史学科の有志学生が続けてきた。
故・多田文男先生が本学に残してくださった資料には,20世紀の日本の地理学を知る上で貴重なものが多々あり,その一部は禅文化歴史博物館の地理学科・歴史学科創立75周年記念事業の企画展示や多田文男コレクション(DVD)などとして公開されてきたが,今回,さらに新たな一歩が加わることになる。
今回展示されている地図の多くは,整理の遅れていた中国・満州・朝鮮半島のコレクションから選んだものである。
多田先生が精力的に調査された地域だけあって,清朝光緒年間の実測図や,明治初期にいわゆる秘密測量によって作成されたと思われる外邦図など,他大学にない貴重な地図も発見された。
今後は,地図目録の刊行にむけて整理作業を続けていくと同時に,研究資料としての保存・活用にも目を向けていくことになる。これからも皆様のご理解と励ましを頂ければ幸いである。


展示概要

「外邦図の過去・現在・未来」をテーマに,外邦図の存在意義から,現状,今後の展開などをふまえ,明治・大正・昭和に作成された順に特徴ある中国の地図22点を公開.

企画展示室1「多田文男と外邦図」
  向陽店,太原,翼城縣,新絳縣,交城縣/清水河,多田文男フィールドノート

企画展示室2「明治期の外邦図」
  武昌,南昌,清国盛京省,揚州城

企画展示室3「大正期の外邦図」
  上海,洞庭湖,藍田,雲和,奉天,セイロン島(複製)

企画展示室4「昭和期の外報図」
  香港,束龍當,星子墟,三柏墟,堰掌鎮

回廊 斎斎哈爾,海倫




外邦図がなぜ存在するのか(外邦図とは何か)

明治中期以降,日本が近隣諸国への拡張政策(侵略)をとると共に,主に軍の作戦上の必要から作られた厖大な地図がある。
その作製範囲は,日本周辺は言うに及ばず,わが国の対外政策の変遷に応じて,シベリア,インドを含むアジア大陸内奥部までのほか,太平洋のほぼ全域とオーストラリア,北米にまで及んだ.
これらを総称して外邦図と呼んでいる.
外邦図は日本の統治時代に作製された朝鮮,台湾,樺太等およびこれらに準じる満州の一般図を,また軍用のものではないが,シベリアから中央・南東アジアの全域と西太平洋地域について作られた百万分一東亜輿地図等の小縮尺編纂図を包括して扱う.(長岡,1993 より抜粋).


外邦図がなぜ駒澤大学に存在するのか

駒澤大学が所蔵する外邦図はかつて地理学教室の教授であった,多田文男が持ち込んだものとされている.
多田文男は1900(明治33)年に東京に生まれた.
東京帝国大学理学部地理学科を卒業し,その後同大学の助手に就任し後に教授となった.
1939(昭和14)年から駒澤大学で兼任教授として授業を担当し,1966(昭和41)年には専任教授に就任,1978(昭和53)年に亡くなるまで駒澤大学教授として在籍され,日本の地理学・地形学,また駒澤大学の地理学科を大きく発展させた学者である.
駒澤大学の地理学教室は1929(昭和4)年に設立され,今年で79年となるが,その教室の歴史の中で約40年間も駒澤大学のために尽力された.
第二次世界大戦の終結を迎え,軍事上非常に大切な外邦図が連合軍に接収されてしまう危機が迫った.多田や他の地理学者達は参謀本部にある外邦図を可能な限り資源科学研究所へ運び出した(浅井,2007).
それ以外の多くの外邦図は焼却処分されたり戦後の混乱で散逸してしまった.
これらの他に多田は,自身が調査・研究した朝鮮,中国,満州,蒙古等の外邦図ならびに東南アジア各地の相当枚数の外邦図を所有し,駒澤大学に持ってきたものと考えられる.

外邦図の調査・研究の始まり

外邦図はもともと軍用として秘密扱いのものであったため,関連する資料はないに等しかった(長岡,1993).
近年外邦図の学術的な価値が認められ,外邦図研究の気運が高まってきた.
2002年に大阪大学,京都大学が中心となり外邦図研究会の第一回研究会が行われた(小林ほか,2003).
2003年に東北大学,2005年に京都大学,2007年にお茶の水女子大学が外邦図目録を完成させていて,大学の枠を超えた外邦図の利用が可能になりつつある.

文献
・長岡正利(1993) 陸地測量部外邦図作成の記録―陸地測量部・参謀本部 外邦図一覧図―. 地図31(4):12-25.
・浅井辰郎(2007) 資源科学研究所の地図の行方―多田文男の英断. お茶の水女子大学外邦図目録:5-10.
・駒澤大学文学部地理学科創立75周年記念誌.(2005) 駒澤地理41:304p.
・多田文男(1978) 多田文男先生略歴および著作目録. 駒澤地理14:263-271.
・小林茂・今里悟之・鳴海邦匡(2003) 本研究の経過. 外邦図研究ニュースレター,1:1-8



駒澤マップアーカイブズでは現在スタッフを募集しています.
その他,外邦図に興味を持った方,意見がある方はお気軽にご連絡ください.

活動予定
週1~2回,第一研究館5階の特4室・体育館1階の地図室で活動しています.
今年度は水曜日を中心に活動します.

連絡先
顧問  佐藤哲夫(地理学科教授)
            第一研究館5階 佐藤研究室
代表  松田倫明(地理学科3年) 
副代表 塚本仁美(歴史学科3年) 



展示リーフレットはこちらからダウンロードできます(PDF)

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