2021年お盆休み豪雨
佐賀県嬉野の雨量
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8月11日の日中から雨が降り出し、13日には激しい雨(30mm/h以上)もみられるようになりました。 8月14日の未明から朝にかけては、非常に激しい雨(50mm/h以上)が継続しました。 3時間降水量は162.5mm(14日4時20分)で、平年の8月の雨量の約6割、 6時間降水量は289.5mm(14日6時30分)で、平年の8月の雨量(277.7mm)を上回りました。 8月11日から14日にかけての4日間の雨量は1024mmに達しました。 学校のプールを空にしておいたら、4日間で約1mの深さの水が溜まるほどの大雨です(蒸発させないとして)。 (気象庁アメダスデータ) |
過去の大雨との比較(嬉野)
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嬉野(佐賀)では、記録的な大雨となりました。 1時間雨量、3時間雨量、6時間雨量については、8月として1位の記録となりました。 12時間雨量、24時間雨量、48時間雨量、72時間雨量については、観測史上1位となりました。 1時間~12時間雨量については、過去の1位の記録と同等の雨の降り方とみられます。 24時間以上の時間でみると、今回の大雨が際立っていたようです。 (気象庁WEBのデータを参考にした) |
武雄・大町水害
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青い範囲は国土地理院が推定した浸水範囲。地理院地図3Dを用いて作画。(作図地域の地理院地図はこちら) 14日10時10分、国交省武雄河川事務所と佐賀地方気象台は、六角川の氾濫発生情報を発表しました。 武雄河川事務所によると14日6時30分頃、六角川の潮見橋上流左岸で溢水、大日堰の下流左岸で越水を確認したようです。 国土地理院による浸水範囲は15日10時の空中写真を元にしています。 六角川は武雄川と合流して、蛇行しながら佐賀平野を流れますが、 河川勾配が緩やかで、有明海の潮の影響を受けます。満潮時刻は水が吐けにくくなります。 大町町付近でも左岸側に浸水範囲がみられますが、 六角川が増水したために、鬼ノ鼻山の南面斜面からの雨水を排水できなくなって、内水氾濫をおこしたものとみられます。 この場所では、2019年にも水害があり(こちら)、その際は、工場からの廃油により被害がでました。 2021年も病院は1階が浸水し孤立しました。浸水は2年前り深かったようです。 入院患者の病室は2階にあり、備蓄食料などもあって、医療サービスは強い影響はなかったようです。 隣接する介護老人保健施設では、垂直避難が行われました。 2年前の水害を教訓として、止水板などが準備されていたと報道されています。 |
矢筈ダムへの流入量とダムからの放流量
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六角川上流の矢筈(やはず)ダムのハイドログラフです。青はダムへの流入、赤はダムからの放流です。 流入量について、雨脚が強まった13日の午後に鋭いピークがあります。また14日の早朝にも鋭いピークがあります。 14日6時前には、毎秒30立法メートルの雨水がダムに流れこみましたが、下流への放流を毎秒10立法メートルにおさえています。 流入量に対して放流量を減らしているので、洪水調節の役割を果たしていたことがわかります。 14日6時30分に越水・溢水が起こっていますが、ダムへの貯留(洪水調節)がなかったら、 浸水被害が拡大していたとみられます。 矢筈ダムの24時間雨量は564mmでしたが、これは、アメダス嬉野の値を上回っています。 |
六角川の水位(潮見橋)
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六角川の潮見橋(国交省)の水位データです。 河口から約30kmのところにありますが、標高は6m程度と低く、河川勾配はとてもゆるやかです。 干満差が大きい、有明海の潮位の影響を受ける感潮河川です。 潮見橋の水位観測所では、13日の午後に氾濫危険水位を超えています。 夜にかけていったん水位が下がりましたが、14日になってからの激しい雨により、再び氾濫危険水位を超過しました。 潮見橋付近では、14日6時30分頃から左岸で溢水がはじまり、7時20分頃には水位が最も高くなりました。 なお、14日朝は偶然にも干潮でした。満潮と重なっていたら、さらに水位が高くなっていたかもしれません。 |
広島市鬼ヶ城山土石流
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広島市西区で発生した土石流について、 朝日航洋株式会社(アジア航測と共同)で撮影した斜め写真(こちら)から、土石流の範囲を推定したものです。 土石流の詳細な発生地点については、よくわからません。人的被害は発生していないようです。 (土砂災害警戒区域図) |
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