花粉症の地理学
あなたは花粉症ですか?
神奈川大学で実施しているアンケートの結果です。 花粉症だ!と答える人の割合は増加傾向で、近年は半数を超えるようになりました。 なお、「花粉症だ」と答えた人のすべてが検査で確認したわけではありません。 検査をして花粉症だとわかっている人について、近年は25%前後で推移しています。 |
![]() |
悪いことは赤系、良いことは青系(交通信号配色)にしてみました。 アレルギーは血液検査でわかります。こちら 奥田稔氏が2003年に行った調査によると(10,920人、回収率54%)、 全国の有病率は16%、南関東は24%でした。 東京都福祉保健局が2016年に都内4か所で行った調査によると(2116人、回収率60.1%)、 都内の有病率は48.8%でした。 松原篤氏他が2019年に行った調査によると(10.984人、回収率43%) 全国のスギ花粉症有病率は、38.8%、東京都内は47%でした。 |
スギ花粉前線
下の地図は、花粉が飛び始める日を線で結んだもので、「花粉前線」と呼ばれます。 最近10年間の平均的な飛び始めを表現したものです。 関東南部においてスギ花粉が飛び始めるのは、 例年「バレンタインデー」の頃ですが、早い年もあれば、遅い年もあります。 2月が暖かいと早まる傾向があります。また、花粉が多い年も早まる傾向があります。 スギ花粉がピークを迎えるのは、3月上旬頃で、ホワイトデーの頃にはヒノキ花粉が飛び始めます。 スギ花粉が終わるのは満開の桜が完全に散る頃(4月中頃)で、 ヒノキ花粉が終わるのはゴールデンウィーク頃です。 スギ・ヒノキ林は、葉の色から濃い緑で表現しました。 |
![]() |
スギヒノキ花粉数
東京千代田区におけるスギ・ヒノキ合計花粉数の累積グラフです。 2024年はスギ・ヒノキ合計で5726個の花粉が飛散しました。 10年平均(2011〜2020年)よりもやや多めでした。 古いデータから新しいデータまで、虹の色の順序で表現しました。 なお、虹色彩色の場合「紫」は使わない場合が多いのと、黄色は少し濃くします。 |
![]() |
スギ花粉数と前年夏の気象条件の関係
![]() |
マウスを図中にもっていくと、花粉数目盛が対数値に変わります。 シーズントータルのスギ・ヒノキ花粉数は、 最も少なかった1994年で277個、最も多かった2018年で11469個と、50倍も違います。 前年夏の日差しが強かった場合には、光合成が盛んとなるため、翌春のスギ花粉数が多くなる傾向があります。 花粉の色は黄色なので、黄色系の棒グラフにしました。 また日射は太陽をイメージしやすいように●を加えました。 2軸グラフの目盛り表記も色分けしています。 |
![]() |
前年夏の日射量と翌春の花粉数には相関があり、前年夏の日射量がわかれば、大まかな花粉数の予想が可能です。 ただ、2018年のように、日射量はそれほど多くなかったのに、記録的な大飛散となる場合もあり、 前年夏の気象条件だけで花粉予測を的中させるのは難しいです。 なお、2024年夏の日射量は、18.1MJでした。上のグラフから2025年春の花粉数を予測すると... 日射量から花粉数を予測できます。説明変数(日射量)を横軸に、目的変数(花粉数)を縦軸にしています。 |