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【長野県北部地震】

2014年11月22日の深夜、長野県北部を震源とする地震が発生しました。

長野市の戸隠、鬼無里、緒川村、小谷村で震度6弱を観測しました。
大きい揺れとなったのは、長野県北部が中心で、局地的な地震でした。
地震発生当初、長野市の山間部を中心に被害が心配されました。

 

糸魚川-静岡構造線にそって、活断層があります。
2014年長野県北部地震は、その一番北にある
「神城断層」が起震断層ではないかと考えられました。

この地震で、最も甚大な建物被害があったのは、震度5強を観測した白馬村でした。

なお、白馬村全体が壊滅的な被害を受けたわけではなく、一部の集落に被害が集中しました。

地区名   住家被害    
全壊  大規模半壊  半壊  一部損壊 
堀之内  33 4 10 32 79
三日市場  6 5 7 21 39
嶺方  2 1 3 16 22
大出  1 2 2 21 26
蕨平           22 22
佐野           13 13
切久保           6 6
塩島           5 5
深空           3 3
野平           2 2
飯田           2 2
白馬町           2 2
内山           2 2
沢渡           2 2
森上           2 2
和田野           1 1
立の間            1 1
落倉           1 1
飯森           1 1
八方口           1 1
           1 1
青鬼           1 1
合計   42 12 22 158 234

地理院地図に神城断層を入れておきました。(こちら

地震計の場所も入れておきました。白馬駅から八方尾根スキー場に向かう途中あたりです。

建物被害が大きかった集落について、地理院地図の作図機能を使ってマークしてみよう。

【白馬村の被害】

白馬村には冬季五輪でも利用されたスキー場があり、高齢化率は長野県内では低い方です。

(地震前の2010年の白馬村の高齢化率は23.5%、全国平均は23.0%)

白馬村の堀之内地区や三日市場地区では甚大な建物被害が発生しています。

地震の発生時刻は22時08分。就寝中の高齢者に犠牲者が集中してもおかしくない状況です。

東京消防庁や富山県消防が白馬村に救援に向かいました。

驚くべきことに、レスキュー隊が現地に到着した時には、

地元住民・消防団によってすべての人が救出されていたのでした。

地震による死者はゼロ。後に「白馬村の奇跡」とも言われるようになりました。

倉庫にあったフォークリフトで倒壊家屋の梁を持ち上げて、閉じこめられた人を救出するなど、

レスキュー隊もびっくするするような、高度な救出活動が行われたことがわかっています。

 

さて、災害が発生した時、みなさんは近所の人の救助に参加しますか?

あなたが災害にあった時、近所の人はあなたを助けてくれますか?

 

長野県では、「災害時支えあいマップ」の整備が進められています。

住民参加のハザードマップ(避難・救援マップ)で、集落毎に作られます。

避難弱者がどこに住んでいるか?有事の際には誰と誰が救出に向かうのか?

個人情報を含むので、広く公開はされませんが、白馬村でも20以上の集落で策定されていました。

 

【長野県神城断層地震災害記録集「記憶をつなぐ 未来につなぐ」より】

「記憶をつなぐ」より、白馬村の災害の概要(部分)

「人と人をつなぐ」より、災害時支えマップについて(部分)

長野県公開ページ