幾何特論 I

結び目の位置と曲面

講義内容:
3次元空間内で紐を結んで端をくっつけて得られる輪っかを結び目という。紐の結び方はいくらでもあるので、結び目は無限に存在する。結び目を数学的に記述し、数学的に扱うのが結び目理論である。
結び目理論は対象が結び目というだけで、様々な研究方法がある。この講義では、曲面を介して結び目を研究する方法を解説する。結び目の位置から曲面の位置が制限され、逆に、曲面の位置から結び目の位置が制限されることを用いて、結び目の様々な性質を導きたい。
講義計画:
(前期)
  1. 結び目の基本構造(1−2回)
  2. 本質的曲面
    1. 基本的定義と定理(3−7回)
    2. ザイフェルト曲面(8−9回)
    3. 閉曲面(10回)
      1. タングル分解(11−12回)
      2. 補間曲面(13回)
(後期)
  1. 結び目の位置
    1. 正則表示
      1. 交代結び目(13−14回)
      2. 正結び目(15回)
      3. モンテシノス結び目(16回)
    2. モース関数とヒーガード分解(17回)
      1. 橋位置・細い位置(18回)
      2. ブレイド表示(19回)
      3. 結び目解消トンネル(20回)
      4. ファイバー結び目(21回)
    3. 局所変形
      1. 交差交換(22回)
      2. ツイスト(23回)
教科書:
http://www.komazawa-u.ac.jp/~w3c/knot.pdfを教科書として用いる。
評価方法:
前期と後期の期末試験で評価する。
関連URL:
http://www.komazawa-u.ac.jp/~w3c/
備考:
特に予備知識を必要としないが、結び目理論の基礎的事項や曲面の分類定理などを既知であることが望ましい。

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