前のページ

屋久島の自然

地理院地図3D「屋久島」  グーグルアース「屋久島」(グーグルアースアプリが端末にある場合に表示できます)

データは、メリーランド大学公開のランドサットETM画像及び米地質調査所公開のSRTM-3標高データを用いた。
(険しい地形)
屋久島を北西方向から見下ろしたもの。屋久島の面積は約505平方キロで、伊豆大島の5.5倍ほどになる。
横浜市(437平方キロ)と藤沢市(70平方キロ)を合わせた面積にほぼ等しい。屋久島在住人口は13,614人である。
島の中央にある宮之浦岳の標高は1936mで九州最高峰。ちなみに九州の1位〜8位は屋久島の山が占める。
円形の島は火山島のようにみえるが、プレート境界付近の堆積岩に下方から花崗岩が貫入して陸化したもの。
(大量の雨)  屋久島のクリマダイアグラム
年降水量は平地で4652mmと横浜の3倍、山地では7500mmに達するとみられ横浜の5倍にもなる。
特に6月の雨量は860oにもなる。「ひと月に35日雨が降る」などといわれる(ありえない話だが)。
(沿岸部は温暖)
沿岸部は、黒潮の影響を受けて冬季も比較的温暖である。
1月末が一番寒く、日平均気温は11.3℃程度に下がる。
これは横浜では桜満開の3月末並の気温である。
屋久島近海の海水温は最も低い3月上旬でも21℃前後と温かい(江ノ島の6月上旬頃と同じくらい)。
(山頂では雪も)
宮之浦岳山頂では冬になると雪が降る。年によっては積雪が1mを超える場合もある。
大陸からの冬の季節風が東シナ海で水蒸気を補給し雪雲を発達させることによる。
(屋久島の植生)
周囲100kmほどの小さな屋久島は、海岸部は亜熱帯植生の北限であり、山頂部は亜寒帯植生の南限でもある。
日本の植物種の約7割がみられる。屋久島の植生の垂直分布は、「天然の植物園」として学術的な価値が高い。

大量の降雨と沿岸部の温暖の気候は植物の生育には好条件である。
温暖な海岸部には、カジュマルなどの「亜熱帯常緑広葉樹林」がみられる。
また、自然度の高い河口には「マングローブ群落(亜熱帯湿生林)」がある。
標高100m位までの海岸付近にはハドノキやウラジロエノキなどの「落葉広葉樹(二次林)」が分布する。
標高600m位まで「シイ」「カシ」など「常緑広葉樹(二次林)」が優勢となっている。
植林されたスギ林も多く、屋久島では「地杉(じすぎ)」と呼ばれている。

標高600m以上になると、広葉樹に中に天然のスギがみられるようになる。
林床には「タカサゴシダ」、低木として「ユズリハ」が
広葉樹の「ハイノキ」「ヒメシャラ」と針葉樹の「スギ」が混交する。
屋久島では樹齢1000年以下を「小杉」、1000年以上を「屋久杉」と呼んでいる。
植生分類では、「暖温帯針葉樹林」とされている。

標高1000m以上では、広葉樹よりも針葉樹が優勢となり、「屋久杉の森」となっている。
有名な「縄文杉」「弥生杉」「紀元杉」など樹齢が1000年を超えるものがみられる。
「ヒメサカキ」「ヤクシマシャクナゲ」など高地性の広葉樹と混交している。
植生分類では「冷温帯針葉樹林」とされる。

標高1700m付近が森林限界となっており、それ以上は自然草原が広がる。
宮之浦岳山頂付近は、視界がひらけ多くの高山植物が自生している。


世界遺産をみよう「世界遺産屋久島」


環境省日本の世界自然遺産(屋久島)

ユネスコ世界遺産(屋久島)

気候変動の影響(国連広報/気象キャスターネットワーク)



次のページ