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小笠原の自然


小笠原諸島は2011年に世界遺産に登録されました。行ったことありますか?
東京の竹芝から船が出ています。父島の二見港まで、以前は25時間30分かかりました。
2016年から新おがさわら丸が就航し、現在は24時間となりました。              

所要時間で言えば、ロンドンやパリ、ロスやニューヨークの方が断然近いことになります。

地理院地図3D「父島」     グーグルアース「父島」 (グーグルアースアプリが端末にある場合に表示できます)

データは、メリーランド大学公開のランドサットETM画像及び米地質調査所公開のSRTM-3標高データを用いた。
高さは2倍強調。俯瞰60度で北方を見下ろしている。陸上の白色は衛星画像の雲である(雪ではない)。
(小笠原の地形)
伊豆諸島のように丸い島ではなくて、細長く、入江に飛んだ海岸線となっている。海の中から山脈が飛び出ている感じである。
父島一帯は、4800万年前〜4600万年前に活動した海底火山による岩石で成り立っている。
父島の土台であるフィリッピン海プレートが、東からの太平洋プレートの沈み込みで隆起したことで、父島一帯が海面上に姿を現したとみられる。父島一帯が陸化した頃には、火山活動は終わっていて、陸上は雨により谷が刻まれ、海岸は波により海食崖が作られた。
(小笠原の気候) 父島のクリマダイアグラム
ケッペンの気候区分では、温暖湿潤気候(Cfa)に分類されてきたが、新平年値(1991〜2020年平均)では、
最寒月(2月)の気温が18℃以上となったことで、熱帯となった。降水量の最少は2月で52mmなので、
熱帯モンスーン気候(Am)となる。なお、2月の降水量が60mm以上なら、熱帯雨林気候(Af)となる。
小笠原は限りなく熱帯雨林気候に近い熱帯モンスーン気候である(亜熱帯とも言われる)。
小笠原自然情報センター(環境省)より

(小笠原の陸化の時期)
 小笠原諸島では、父島と母島以外は居住者はいない。無人島では自然の植生が保たれているといえる。父島も江戸時代は無人島(むにんじま)と呼ばれていた。
 父島一帯が陸化した時期については、詳しくわからない。4000万年という長い時間の中で、陸化した時期もあれば、浅海に没した時期もあったろう。小笠原固有種の遺伝子を分析することにより、過去300万年間は陸上にあったと推察される。

(隔絶された環境)
 父島は、伊豆半島南端から約890km離れている。海によって隔絶された島に偶然に定着できた限られた生物種が独特の生態系を作る。
小笠原には裸子植物は一種のみ、ブナ科の植物も自然植生としてはみられない。動物では両生類はいない。爬虫類はトカゲとヤモリ一種ずつ、哺乳類はコウモリ一種のみとなっている。
陸生貝(カタツムリ)は、生息場所に適した進化の多様性がみられる。

(父島の植生)
最も広範囲にみられるのは、ムニンヒメツバキを中心とした「亜熱帯常緑広葉樹林」です。その周辺には乾性低木林として、コバノアカテツなどがみられます。島の西側には、モクマオウなどの外来種の人工林がみられます。


ユネスコ世界遺産(小笠原諸島)

小笠原村役場

環境省日本の世界自然遺産「小笠原」

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