「北極と南極で起こっていること」
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オゾンホール
屋根に穴があいたら....
そりゃ大変です。屋根に穴があいたら...。雨漏りもしますしね。(これはたとえです)
地球はすっぽりと空気の層に覆われています。
そして、上空25キロ付近には、「オゾン層」というオゾンの濃い空気の層があります。
飛行機が飛ぶ高さよりもさらに上の方にあります。
その、オゾン層は太陽から降り注いでくる有害な紫外線を吸収してくれているのです。
そのオゾン層に穴があいてしまった.....それがオゾンホールです。
オゾンホールは1981年頃から南極で確認されるようになりました。
毎年9月から10月にかけて、南極大陸の上空のオゾン層は薄くなり、
ついには大きな穴があくようになりました。
オゾン層に穴があくと、体に害のある紫外線が地上に降り注ぎ、
人間は皮膚癌になる危険が高まります。...
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オゾンホール面積の経年変化です。その年の最大値を面グラフにしました。 1980年代はオゾンホールが急拡大しました。1990年代も徐々に拡大し、 2000年以降は拡大に歯止めがかかり、楽観的な見方をすると、近年は縮小傾向でした。 そして2019年に一気に縮小しました。 2019年は、1982年以来、37年ぶりの小さいオゾンホールとなりました。 このまま小さくなってくれれば...と期待されましたが、 2020年以降は、以前のレベル戻ってしまいました。 「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」は1987年に採択、1989年に発効しました。 |
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黒い細線はこれまでの最大値です。灰色の点線は、1979年〜2023年の平均値です。 オゾンホールは早ければ8月上旬に、遅くとも8月下旬に出来始めます。 9月になると急拡大し、9月半ばから10月初めに最大となることが多いようです。 10月半ば以降は徐々に面積が縮小し、年内にはオゾンホールは消滅します。 10月から11月にかけて、オゾンホールが塞がっていく過程では、年による変化が大きいようです。 2022年(黄色)は8月中旬頃からオゾンホールが拡大しました。10月〜11月は前年同様にオゾンホールがなかなか塞がりませんでした。 2023年(橙色)は8月のオゾンホールの拡大時期が早まりました。9月下旬に縮小しましたが、12月上旬は例年より広かったようです。 2024年(赤色)はオゾンホールの拡大時期が例年より遅くなりました。9月27日段階で前線と同レベルの広さとなっています。 |
人工衛星で観測された最新のオゾンホールの状況は↓こちらのサイトへ(米航空宇宙局)
http://ozonewatch.gsfc.nasa.gov/monthly/SH.html
気象庁報道発表資料(最新情報)
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/diag_o3hole.html
フロンガスとオゾンホールの関係が5分でわかるマンガ↓
こちら↓「オゾンホールとはなにか」(Sugawara's Homepage) http://www.asahi-net.or.jp/~KT8S-SGWR/ozon/ozon1.html |
オゾン(O3)とは
三つの酸素原子で構成される気体で、人体には有害です。
塩素の7倍の酸化力を持ち、殺菌に使われたりします。
自然界では、海や山などに0.005ppm程度存在していますが、
0.1ppm以上で臭気を感じるようになり、1ppmで中毒症状をおこします。
魚臭いような刺激臭がします。あのコピー機のまわりの匂いです。
オゾン(ozone)の名称は、ギリシャ語の「におい(ozein)」に由来しています。
常温では無色ですが、高濃度(15%以上)では青味がかって見えます。
私たちを有害な紫外線から守ってくれるオゾンは、上空20〜30キロ付近にあります。
このはるか上空にあるオゾンを「成層圏オゾン」と呼んでいます。
成層圏オゾンは、空気中の酸素と太陽からの紫外線で作られます。
紫外線が酸素分子(O2)にぶつかると、2つの酸素原子(O)に分かれます。
分かれた酸素原子(O)が、別の酸素分子(O2)にくっついて、
新しいオゾン(O3)になるわけです。
そんな簡単な光化学反応なら、私たちの身のまわりでも起こりそうですが、
上空で多くの紫外線が使われてしまうようで、地上に近いところでは、
この反応はあまりおこらないようです。
わかりやすい説明は
「オゾン50のなぜ」(名古屋大学太陽地球環境研究所)