「スキー場の気候学」

スキー場の分布

まずはスキー場の分布図を作成しました。
とは言っても私が滑ったことのあるゲレンデです。

A.スキー場マップ
ちなみに、日本のスキー場の分布図はこちら
地域的な偏りがありますか?それは何故?


当たり前ですが、雪が降るところに多くのスキー場は分布します。

B.スキー場の分布と雪日数および最深積雪
年間雪日数37日以上の地域は、日本海側に広く分布します。
北日本では太平洋側にも分布しますが、気温が低いことによります。
低温の地域は雨よりも雪で降る頻度が高くなるからです。

マウスを図中に持っていくと、「最深積雪」の分布図に変わります。
「雪日数37日以上」の地域とほぼ重なります。
ゲレンデを維持するためには、
最深積雪100cm以上の積雪が必要です。
雪の足りないところは、人工降雪機によって雪作りをしています。

スノーマシンの種類

@ファンタイプ
ドラム缶を斜めにしたような巨大な扇風機から
細かい水滴が放出される。大量に雪を作れる。
もちろん気温が低くないと人工雪にならない。
Aガンタイプ
細い筒状のノズルから圧縮空気と水滴を噴き出す。
空気が膨張するときの冷却効果も利用しているので、
ファンタイプより高温でも雪が作れる。
BICS(アイスクラッシュドシステム・撒氷システム)
巨大な冷凍庫で「霜」を作り、粉砕してゲレンデにまく。
気温が高くても雪が作れるため、
西日本のスキー場を中心に導入された。
スノーシステムズ
樫山工業

軽井沢スキー場の人工降雪


C.日本海側の冬季の日照時間・冬季の天気界
冬季の日本海側の地域は日照時間が少なく、曇天が多くなります。
また、北西季節風による雪雲は、高い山脈によってさえぎられ、
太平洋側とコントラストが生まれます。
降雪と晴天の境目は山脈のやや風下側になることが多いようです。

D.冬季の積雪域・日本海側気候区
鈴木秀夫氏(気候学者)は、北西季節風によって、きまって雪降る地域を「裏日本気候区」としました。
「裏」という言葉は日本海側に住む人に失礼な場合があるので、図のタイトルは「日本海側気候区」としました。
気象衛星画像(可視画像)では、日本海側の積雪が白く映っています。
特に、北陸と関東とのコントラストはくっきり見えています。

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