地理学特講E
「鳥瞰図の世界」

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活火山の鳥瞰図(円錐火山)

2004年に日本の活火山の鳥瞰図を作りました。
「活火山」とは、過去1万年の間に火山活動をした(とみられる)火山です。
当時 日本には108箇所の活火山があるので、「煩悩活火山」と名前をつけ、
WEB上で公開ししました。製作には1週間程度かかりました。

その後、活火山は増えて、現在は111あります。多少手直しして、現在も公開中です。..

バーズアイ「111火山」

その中からいくつかを紹介しましょう。

日本最高峰の富士山です。円錐形の均整の取れた見た目に美しい火山です。
1701年(約300年前)の噴火によりできたのが宝永山です。
手前の「愛鷹山(あしたかやま」も古い火山です。火山堆積物の地質調査によりますと、
愛鷹山は40万年前から10万年前に活動していたと推定されています。
富士山と愛鷹山の山体を比較してみてください。
富士山の斜面は円錐状になだらかなのに、愛鷹山は深い谷が刻まれています。
富士山は若い火山なので侵食が進んでいませんが、
愛鷹山は10万年前の活動を休止してから長い年月風雨にさらされ、侵食が進みました。
人間の顔と同じように、"シワが少ないのが若い火山"、
シワが多いのが"年配の火山"とみることができます。

この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、
同院発行の数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものです。
(承認番号 平17総使、第341号)


富士山(地理院地図)

富士山(グーグルアース)

九州南端に位置する開聞岳(かいもんだけ)です。薩摩冨士とも呼ばれています。
富士山に比べれば低い山ではありますが、均整の取れた円錐形をしています。
"シワが少ない"ので若い火山であることがわかります。
4000年前に活動を開始、2500年前から溶岩を噴出し現在に近い形になったと、
考えられています。874年と885年(平安時代)に大噴火を起こしたことがわかっています。
それから1000年以上経過しているわけですが、火山としては「赤ん坊」の部類です。
火山地形を見る場合には、長い時間スケールで考える必要があります。

この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、
同院発行の数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものです。
(承認番号 平17総使、第341号)



開聞岳(地理院地図)

開聞岳(グーグルアース)


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