第13回 戦後日本の高度経済成長の海外要因(3)欧米からの技術導入
「技術導入」の本来の意味は、
企業が外部の(外国でも国内でも)技術を社内に導入して利用すること。
しかし高度成長期には、「外国からの技術の導入」を、そして外国は「欧米」を意味していた。
技術貿易収支:技術への対価の対外収支。外国への支払(技術輸入)と 外国からの受取(技術輸出)の差額
グラフ:日本の技術貿易収支(1961-71年)| 技術貿易比の国際比較(1961-71年)
↑高度成長期の日本の技術貿易収支は圧倒的な輸入超過。とくに対米国。
技術貿易は国際収支の統計では、貿易外収支(のちにサービス収支)の一部
技術貿易収支は、特許使用料、技術使用料、技術指導料、著作権料などの対外収支。
↑通称はロイアルティ(royalty)、ライセンス料
特許ないし技術には、製品技術と製法(製造)技術がある。
欧米からの技術導入が海外要因であるのはなぜか
単に特許を買うだけでは製品や製造設備にはならない。外国技術を消化吸収する努力が不可欠。
しかし、それと同等の技術を、時間と費用をかけて自力で開発できるとは限らない。
その「技術の種」を、外国が売ってくれなければ(使用を許可してくれなければ)、消化吸収もできない。
また、他の国も(交渉次第では)有償で導入可能な技術だったのに、消極的だった。
外国技術導入の具体例
LD転炉(純酸素上吹き転炉)技術: 鉄鋼の大量生産技術~アルピネ社から日本鋼管等へ 1957年
純酸素上吹転炉(LD転炉)の導入経緯(戸田弘元1995)
LD法の命名/わが国におけるLD法導入の経緯(下村泰人1995)
LD転炉の生産性は平炉の5倍以上。川崎製鉄所への導入(岩村英郎19880520)
世界各国の
LD転炉設置状況
ナイロン製造技術:合成繊維の大量生産~デュポン社から導入 1951年
自動車の製造技術~欧米企業から日産、日野、いすゞ、新三菱重工業へ 1952-53年
トランジスターの製造技術~ウェスタン・エレクトリックからソニーへ 1954年
トランジスターとは→ トランジスター(単体)|携帯電話の構造とIC(半導体)|
(大型)コンピューターの基本特許~IBMから日本電気など8社へ 1960年
IBM基本特許の公開
参考文献=髙橋「日本のコンピュータ産業発展とIBM基本特許-なぜ日本企業は締結できたのか 」
※ IBM産業スパイ事件1982年 日経20130428
IC(集積回路)の基本特許~TI 社からソニーなどへ 1968年