陸上競技部

DATE:2025.11.05陸上競技部

第57回全日本大学駅伝 選手・監督インタビュー

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(撮影:川本凌生)

第57回全日本大学駅伝対校選手権大会が11月2日、熱田神宮西門前(愛知県)から伊勢神宮内宮宇治橋前(三重県)までの全8区間、106.8kmで行われた。
駒大は走った8人全員が区間5位以内という安定した走りを見せ、5区で首位に立ってから独走状態となり、2年ぶり17度目の優勝を果たした。
選手、監督のインタビューは以下の通り。

ーー日本一になった喜びと今回の課題は

1区 小山翔也(経3)

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「自分の役割としては区間賞もしくは1位と10秒差で来るということが役割だったのでそれを意識して走った。その中で目標として区間賞は掲げていたが、やはりまだレースの経験のなさや力不足があり、区間賞を獲れず区間4位という結果になってしまったのは自分の不甲斐なさを感じた。2区以降の選手がしっかりといい走りをしてくれて優勝することができたので、今度は自分が優勝を決める走りを1区以外の区間であっても1区であってもそういう走りができるようにしていきたいと思う。今回優勝できたのは自分だけではなくて、走った選手もそうだが補欠にまわってくれた選手であったり、寮で応援してくれた選手、関係者の方々のおかげで優勝できたので、慢心せずに色んな人への感謝を忘れずにこれから箱根に向けてやっていきたいと思う」

2区 谷中晴(経2)

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「選手1人1人が今持っている力を出し切れば必ず優勝できると思っていた中で、理想的な展開で1区から流れを作って8区の山川さんで優勝できたのはすごく嬉しく思う。個人としては、信頼していただいているからこそ2区に置いていただいたと思ったので、1区で小山さんがいい流れで持ってきてくれたのでその流れを途絶えさせてはいけない、チームのためにも区間上位で走りたいと思って、そういった中の区間3番ですごく安心してはいる。しかし区間賞の楠岡さん(帝京大)に10秒以上差をつけられてしまったり、1年生の鈴木琉胤くん(早稲田大)に途中引っ張っていただく展開になったりしたのは自分の力無さであり、最後ラストスパートで置いていかれてしまったのも練習不足を感じたので、箱根までの2ヶ月間でもう1度自分の足りないところを見直していって箱根では必ず区間賞を獲りたいと思う」

3区 帰山侑大(現4)

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「まず今回優勝することができて本当にうれしく思っている。4年間この部活で大学駅伝に励んできて、初めて自分が走った大会で優勝することができたというのが、本当に目標としていたことの1つでもあり、夢見てきたことで今回の優勝に関してはうれしく思っている。自分の走りを振り返ってみると、今回4年生として区間賞で後ろと秒差を広げて(タスキを)渡すというのが僕の役割だったと思うが、結果的に国学院大に大きく詰められてしまって、秒差をつけて渡してあげることができなかったのがやはりまだまだ自分の力のなさだったと思う。箱根に向けてまだ時間はあるので、次こそはしっかり区間賞を獲って、また優勝を目標に頑張っていきたい」

4区 安原海晴(商3)

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「チームとして優勝できて大変うれしく思っている。個人の走りとしては中間点に行くまでに先頭集団から離されてしまって、元々伊藤さんにいい位置で渡すことが自分の役割だったが、なかなかそれを果たすことができず、後続の区間の選手にかなり迷惑をかけてしまったというのが自分の率直な感想。自分がもし仮に区間賞争いの走りができていれば、チームとしても大会新記録が見えていた中だったので自分の不甲斐ない走りのせいでチームに迷惑をかけてしまって大変申し訳なく思っている。自分のそういった不甲斐ない走りを後続の選手、特に伊藤さんの区間新記録の走りでカバーしていただいたことにも感謝しかないので、今回迷惑かけてしまった分は次の箱根 であったり来年以降の駅伝でしっかり恩を返していけるようにしたい」

5区 伊藤蒼唯(政4)

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「チームとして2年振りに優勝できたことを非常にうれしく思っている。また個人としては今回"繋ぎの5区"ではなく"攻めの5区"ということで配置していただいて、概ねその与えられた役割がしっかり果たせたかなと思っている。区間賞がこれまであと一歩届かなかったということが何度もあったが今回こうやって区間賞が獲れたのと、また区間新のおまけ付きですごく自分にとっても最後価値あるものになったかなと思う。これからチームとして箱根に向かって2ヶ月間、練習を積んでいく中で体調不良だったり故障に気を付けて最後1月3日笑って終われるような準備をしっかりしていきたいと思っている」

6区 村上響(地3)

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「チーム的には優勝できて率直にうれしい気持ち。個人的な区間でも前(の区間)に伊藤さんがいて後ろ(の区間)に圭汰さん、山川さんが控えている状況ですごくリラックスして気楽にスタートできる区間になると思っていたので、スタートしてからも自分の持ち味である攻めの走りを、先頭だったがしっかり守りに入らずにできたかなと思っている。攻めることはできたが、また区間2番で区間賞まであと2秒ということで、すごく悔しい気持ちが強いので箱根では区間賞を目指してチームの優勝貢献して、正々堂々と笑顔で終われるように今後の期間でしっかり準備していきたいと思う。選んでくれた監督と信じてくれた仲間たちがいたからこの結果があったと思うので、感謝の気持ちを忘れずにしっかり次の大会に向けて準備していきたいと思う」

7区 佐藤圭汰(経4)

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「チームとして優勝できたことはうれしく思っている。しかし個人の走りが非常に良くなくて、最低でも49分台を出して区間賞争いをすることを目標にやってきたがそのタイム(区間賞のタイム)には程遠い結果になってしまって、青学の黒田選手に約1分差をつけられてしまい不甲斐なく非常に悔しい気持ちでいっぱい。本格的なポイント練習であったりペース走とかを始めたのが10月くらいで、練習自体は上手くできていたので結構いい感じにいけるんじゃないかなと思っていたけれど、走ってみれば13キロくらいで脚が重くなり練習不足を痛感して甘くないと感じた。しかしチームメイトがしっかりと1位でタスキを繋いでくれて、後ろと距離を縮められる形になったけれど、1位で山川に渡すことができたのは最低限仕事を果たすことができたので良かったかなと思う。箱根に向けてはあと2ヶ月あり、今回練習不足をすごい痛感したのであと2ヶ月しっかりと練習を積んで、前回悔しい思いをしているのでその悔しさを晴らせるようにしっかりやっていきたいと思う」

8区 山川拓馬(営4)

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「今回チーム全体として昨年(のシーズン)と今年の出雲で悔しい結果になってしまい、それのリベンジで絶対勝てると思って今回挑んで勝てたというのは1つ安心できたところはあるが、やはりチーム全体として各区間走った選手からうれしさもありながら、悔しさも出たのはすごく箱根に繋がるかなと感じている。また今回の駅伝に関しては、1人1人が自分の走りをしてくれたおかげで、自分のところに来る頃には1位で後ろとも2分以上離した状態で渡してくれたというのが、すごく自分の中でも自信の持った走りができたと思う。その中で自分が56分台というのを目標にしていた今回のこの区間で、57分20秒以上かかってしまったというのは悔しさが残る形となってしまった。今回走った全員が色々と悔しさがあったと思うので、それを1人1人箱根でそれを晴らしていくというのと、今回エントリーされて走れなかった選手も力はあると思うので、箱根と全日本で両方とも優勝というところを目指してまたやっていきたい」

藤田敦史監督

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「今回の全日本においては、本当に素晴らしい学生たちの頑張りがあって、本当に素晴らしい??をしてくれたと心から思っている。今回三大駅伝を迎えるにあたっては、学生たちから三冠を目指したいという話が出て、目標は三冠というところでスタートした。ただ出雲はご存知のように優勝を目指した中で5位ということで、決して満足できる結果ではなかった。その時点でもう三冠が潰えてしまった状況ではあったが、主将の山川以下他の選手たちが決して諦めることなく『まだ全日本と箱根で二冠できますよ』ということを言ってくれて、チームの絆がかなり出雲を負けたことで深まってこの全日本を迎えることができたことが、今回の優勝の要因の1つではないかと思う。私どもはこの全日本は非常に相性がいい大会で、私が大学4年生の時に初優勝してから今回で17回優勝している。非常に相性がいい大会ということもあって、選手たちも非常に自信を持って臨んだ大会であったと思うが、私の中では昨年国学院大に負けて、色々な過去の勝っているチームはどんな区間配置をしているのかなどを研究して、今回はエース格の伊藤蒼唯をあえて5区に配置してそこをストロングポイントとして7、8区の佐藤圭汰、山川に繋げるという構想を練っていた。実際にその通りに子どもたちがしっかりと頑張ってくれて、最後優勝のゴールテープを切ってくれたので、本当に監督としては嬉しい限りだと思っている。今後についてはもちろん箱根があるのでそこを目指しての強化になろうかと思うが、やはり箱根はまた別物の駅伝と捉えている。上り下り(の選手)を作らないと箱根は勝てないと思っているのでそこの強化というものも今後しっかりしていかないといけないと思う。これから11月、12月となると感染症も流行ってくる。その体調管理も含めてまたチーム一丸となってそこ(箱根の優勝)を獲りに行きたいと思っているので、まず今日は優勝をしっかりみんなで喜んでまた次の一歩を踏み出したいと思っている。今回の優勝は本当に選手たちの勝利だったと、本当に感謝したいと思っている。ここにいる選手たちだけではなくまだ寮に残っている選手たちにも非常に力のある選手がいる。次の箱根に関してはチーム駒澤で、総合力で戦ってまた勝ちに行きたいと思っている」

ーーけがをしてから復帰するまでどのような気持ちで過ごしていたのか

佐藤圭汰

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(撮影:新飯田珠希)

「今回で恥骨のけがが3回目ということで、このけがが正直治るのか不安な気持ちでいっぱいだった。なかなか完全に走れる状態になるまで時間がかかり焦った。なんとか9月中旬から復帰することができて出雲では直接チームに貢献することはできなかったが、全日本には間に合いそうな目途が立ったのでチームの優勝に貢献する思いでずっと過ごしていた」

ーー出雲が終わってから全日本までチームの結束力がどのように変わっていったのか

山川拓馬

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(撮影:川本凌生)

「出雲で5番という結果になってしまって、拮抗していたといえ5番という結果は(チーム)全員にとって衝撃的だった。そこで『このままだと絶対にダメだ』という気持ちが1人1人から伝わってきた。自分たちの中でも優勝を狙っての5番だったのので、絶対にこのままではいけないと思っていて、4年生を中心にあと2つ(全日本、箱根)は獲りに行くと言った。チームの中でも『次は優勝できる』という思いが1人1人あったおかげで、チーム全体での意識やチームの力は上がったと感じている」

伊藤蒼唯

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「出雲が5番という結果で総合順位は悔しかったが、個人を見ると区間2番が4人いるなど、惨敗はしたがその中でも上手くいった点も少なからずあったので、まずはそこをしっかり伸ばしていこうと。大砲の佐藤圭汰が戻ってくるということと、3年生以下が台頭する目途が立ちそうだったので、『これは優勝を狙えるぞ』ということで出雲からの3週間を過ごしていた。目途が立ってもどのくらいいけるかと思っていたが、予想以上に2,3年生がしっかり走ってくれて、その頑張りを4年生が無駄にはできないという気持ちで走れて、優勝することができた。出雲からの立て直しをしっかりとできたと思う」

ーー具体的に2、3年生が上がってきていると実感したのはどのようなところか
伊藤「全日本直前のポイント練習をかなりの人数が上のクラスで消化できたことや、ジョグの質、ペースが上がったりなどの日頃の小さな練習の積み重ねが、出雲の時と比べてかなり良くなっていた。そういった点から『優勝を狙おう』という話になった」

ーー5区をどのような区間と分析して、その結果どうして伊藤選手を配置したのか

藤田敦史監督

「5区は例年私たちのチームは7番目、8番目の選手を使うことが多かった。昨年国学院大が5区の野中くんと6区の山本くんで一気に上へ上がっていた。私たちもそこの区間を凌ぐことはできたが7区篠原、8区山川を置いても優勝に届かなかった。全日本で勝つために何が必要かを考えた時に、出雲のように途中で流れを切るようなレースではなくて、各区間5番以内を目指すことがまず1つ。あともう1つ、区間5番以内で凌いで5区のストロングポイントで一度前に押し上げる。そして7区、8区の圭汰と山川で勝負をするというようなイメージをした。選手たちにも事前に相談しながら準備を進めた。1区の小山、2区の谷中、3区の帰山が、本当に私が思っていたようなレースをしてくれて4区の海晴につないだ。海晴から『(前と)離れてしまって申し訳ない』という話しがあったが、遅れはしても踏みとどまる走りができたというところで、伊藤の爆発的な走りが生まれた。私が考えている戦略と実際に学生たちがレースをする流れが、本当にマッチした。私の中では非常に強い勝ち方ができた。」

ーーレースや練習でも時計を着けないが、自分の立ち位置をタイムが分からない中でどういったものを目安にして走っているのか

山川拓馬

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(撮影:中村真子)

「時計を着けない理由は、時計を見てしまうとタイムに囚われてしまうため。自分の感覚で走るのが自分の走りで、レースの場合は沿道から後ろと何秒差ということなどを教えてくださったりするので、それを聞いている」

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(撮影:川本凌生)
執筆者:川本凌生

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