米国放射線腫瘍学会(ASTRO)2025 参加録
米国放射線腫瘍学会(ASTRO)2025 に中島准教授、博士課程2年の伊藤進也、道又玄太さんが参加しました。
- 期 日:2025年9月27日〜10月3日
- 開催地:San Francisco, United States
- 学会名:米国放射線腫瘍学会(ASTRO)2025
米国放射線腫瘍学会(ASTRO)2025 参加録 / 博士課程2年 伊藤進也
米国サンフランシスコで開催されたASTRO(American Society for Radiation Oncology)年次総会に参加し、Oral発表を行いました。発表テーマは「CT ventilation imagingとHyperpolarized ³He MRIの空間・線量学的一致度評価」であり、London Health Sciences Centre Research Instituteとの共同研究のもと、前向き臨床試験データを用いた遡及的解析の成果を報告しました。本研究は、異なるモダリティから得られる肺換気画像を比較し、それぞれが放射線治療計画における機能的情報としてどの程度一致しているかを定量的に評価したものです。
海外での学会発表は、2年前のAAPM 2023(Houston)でのポスター発表以来となりました。当時も貴重な経験でしたが、今回は初めてのOral発表ということもあり、より大きな緊張を感じました。会場は想像していたよりも広く、圧倒されました。それでも、落ち着いて発表を進めることができました。発表後には、海外の研究者から研究内容への関心を示していただき、世界の場で自分の研究が共有されることの重みと嬉しさを改めて実感しました。
サンフランシスコは西海岸に位置しており、海鮮料理がとても美味しく、特に器のようなフランスパンに入ったクラムチャウダーは印象に残っています。企業主催のイベントにも参加し、現地の研究者や企業関係者と交流しながら、毎晩のように美味しい料理を楽しむことができました。食文化の豊かさや人々のフレンドリーさも、この街の大きな魅力だと感じました。
学会の合間には、ゴールデンゲートブリッジやピア39、フィッシャーマンズワーフなどの有名な観光スポットを訪れました。特にゴールデンゲートブリッジは、サンフランシスコの象徴というのもあり、感銘を受けました。一方で、夜間や人通りの少ない場所では治安面で注意が必要であり、日本との環境の違いを肌で感じました。明るい観光地から少し外れると雰囲気が変わることもあり、海外では常に安全意識を持つことの大切さを実感しました。
今回のASTRO参加を通じて、国際学会のスケールの大きさ、研究発表のレベルの高さ、そして世界中の研究者がそれぞれの立場から放射線腫瘍学の発展に貢献している姿勢に強く刺激を受けました。また、自分の研究の意義や今後の方向性を改めて考える良いきっかけになりました。今後もこの経験を糧に、研究をさらに発展させ、国際的にも意義ある成果を発信できるよう努めていきたいと思います。
最後に、本研究データの提供および共同研究の機会をいただいたLondon Health Sciences Centre Research Instituteの研究グループの皆様、そして研究全体のご指導と多大なるご助言をいただいたUniversity of California, Davisの山本時裕先生に深く感謝申し上げます。
