産業技術総合研究所 計測における不確かさ研修(中・上級コース) 参加録
産業技術総合研究所 計測における不確かさ研修(中・上級コース)に博士課程1年の新井雄さんが参加しました。
- 期 日:2025年10月15日~2025年10月16日
- 開催地:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量研修センター
- 学会名:AIST 計測における不確かさ研修(中・上級コース)
AIST 計測における不確かさ研修(中・上級コース)参加録 / 博士課程1年 新井雄
2025年10月15日、16日の2日間、茨城県つくば市にある産業技術総合研究所(産総研)で実施された「計測における不確かさ研修(中・上級コース)」に参加してきました。さて、皆さんは「誤差」という言葉をよく言ったり、聞いたりしているかと思います。この「誤差」とは、真の値がわかっているという前提のもと、真の値と測定値の差を意味します。しかし、実際には真の値はわからないため、誤差を厳密に知ることはできません。そこで登場するのが「不確かさ」です。不確かさとは、私たちが測定で得られる値には限界があり、真の値そのものはわからないけれど、真の値に近いと思われる推定値がどのくらい疑いがあるかを表すものです(と思っています)。さあ、訳が分からなくなってきて、ここで読む気が無くなった方もいると思いますが、私が研究している放射線計測の分野において、この不確かさの評価は欠かせないのです。
1泊2日の不確かさ研修では、学びと予期せぬ不確かさの体験がありました。研修施設へは東京駅から高速バスを利用し、産総研の最寄りに到着。その後は徒歩で研修施設を目指しました。実際に足を踏み入れて思いましたが、産総研ってすごく広いです。研修施設に到着して目にしたのは、産総研ならではの展示品です。具体的には、かつて重さの基準だった「キログラム原器」や長さの基準である「メートル原器」、さらにタクシーメーターの計量機など、普段目にすることのない機器が並んでおり、期待が高まりました。不確かさ研修の参加者は、計量機器、電気関連、そして各種機関など理工系の分野から来られた方がほとんどで、医療関係者は私だけでした。昼食は、事前に「食堂やコンビニまでは徒歩15分ほどかかる」との案内があったため、事前に食事を購入して持参しました。ところが、夕食時に食堂まで歩いてみるとまさかの徒歩5分。不確かさが大きいですね 笑。(不確かさの使い方が違うと怒られるかも...)もちろん2日目の昼食は迷わず食堂でいただきました。
私は「不確かさ」に関する理解を深めることができました。講義や演習に加え、講師の先生方への質問を通して、これまで抱えていた解釈の曖昧さを解消し、疑問解決に大きく近づくことができたと感じています。興味があればぜひ参加してみてください、特に放射線計測を突き詰めたいのであれば。


