"援農"から"縁農"へ ― 河原林ゼミでの援農ボランティア活動報告
私たち経済学部・河原林ゼミでは「持続可能な農業・地域」をテーマに活動しており、この夏休みにゼミ合宿を兼ねて、福島県南相馬市の小高園芸団地で二泊三日の援農ボランティアを行いました。ゼミ生の多くは首都圏出身で、農作業や農村での暮らしは初めての経験でしたが、JAふくしま未来の方々をはじめ地域の皆様に温かく迎い入れていただき、忘れられない三日間となりました。
援農ボランティアは、駒澤大学では初めての取り組みです。企画するにも、何事もゼロからの出発となり、不安と手探りの状態でした。そんな中、農林中央金庫で援農支援隊として活躍されてきた方々による体験談を教えていただける機会に恵まれました。現場での心構えや段取りを学ぶことができたおかげで、私たちは安心して準備を進めることができました。ゼミ生一同、ご厚意に感謝しています。
援農ボランティアとは、繁忙期に人手が不足する生産者の作業を支えながら、学生が農業の現場や地域の実情を学べる、双方にとって価値ある活動です。
今回の援農では、キュウリの栽培管理、収穫から選別、箱詰め、出荷までの一連の作業のお手伝いをしました。最初は慣れない姿勢や作業に戸惑いましたが、JAの方々が丁寧に教えてくださり、次第に作業のリズムがつかめていきました。同じ畑で汗を流し、同じ時間を共有することで、ゼミ生同士の距離も自然と縮まり、仲間としての一体感が生まれていくのを感じました。自然の中での農作業には、人と人をつなぐ不思議な力があることを実感しました。
また、JAが運営するカントリーエレベーターの見学では、収穫されたコメがどのように集荷・保管され流通に乗るのかを学び、農業が地域の暮らしを支える大切な産業であることを理解しました。普段は意識することの少ない"食と地域のつながり"を、現場で体感する貴重な機会となりました。
今回訪れた小高地区は、東日本大震災の津波と原発事故の被害を受けた地域です。地域の方々から当時の状況や復興への歩みを伺いながら、農業が"日常を取り戻す力"になっていることを知りました。私たちが体験した援農は、単なる作業の手伝いではなく、復興の一部に触れる学びでもあり、地域の未来を支える営みに参加する経験だったのだと気づかされました。
南相馬市に広がる田園風景や澄んだ空気、畦道を跳ねる小さなカエル、夜に見上げた満天の星に、私たちは思わず息をのみました。普段の生活では触れることのない"ホンモノの農村"の風景に胸が高鳴ったのを覚えています。
この三日間の体験を通して、南相馬市にまた訪れたい、地域の方々と再びお話をしたい、そんな思いが自然と芽生えています。農村での人との出会いが"援農"から"縁農"へとつながっていくことを実感しました。
私たち河原林ゼミは、本年度立ち上がったばかりの新しいゼミです。この経験をゼミの歴史の第一歩として、これからの学びにつなげていきたいと考えています。
経済学部・河原林ゼミ生一同:
根岸直太郎、鎗水泰成、岩木優翔、樋山裕樹、渡邊萌奈、山室虎之介、斉藤葵、永田リリイ(順不同)
事前学習会の様子:農林中央金庫の有志の方々による助言
キュウリの収穫作業後のひと息:JAふくしま未来の方々との記念写真
そうま日立木カントリーエレベーター:穀物サイロ内部・籾摺調整設備・低温倉庫等を見学
一面に広がる田園風景:カントリーエレベーターを背後に
※今回の援農ボランティアでの農作業の様子は、JAふくしま未来のホームページでも紹介されています。
経済学部