会計学について、総合商社とは

2026年6月9日の「現代マネジメントⅠ」では、経営支援NPOクラブの杉田一志氏と本山裕之氏にご講演いただきました。経営支援NPOクラブは、企業で豊富なキャリアを積まれた方々を中小企業などへ派遣し、経営支援や経営指導を行っている団体です。


【左が杉田氏、右が本山氏】

「会計学について」 杉田一志氏

会計とは、企業活動の良否を判断するための会計情報であり、企業存続のために投資した資金が回収できているか、また、その回収余剰がどの程度あるのかを把握するためのものです。

財務諸表とは、金融商品取引法に基づいて提出される財務書類です。財務諸表のうち、貸借対照表と損益計算書は、企業の財務内容を正確かつ明瞭に開示することを目的としており、すべての企業に作成が求められています。さらに、キャッシュ・フロー計算書を加えた「財務三表」は、企業の財政状態、経営成績、資金の流れを示すものであり、企業分析において特に重要な資料です。

講演では、財務三表の概要に加え、ROE(株主資本利益率)などの経営指標について説明がありました。また、受講生には、財務三表に記載された数字から企業の状況や経営実態を読み取ることの重要性が伝えられました。


【ご講演中の杉田氏】

「総合商社今昔物語―商社の役割と影響を時代を超えて探る」 本山裕之氏

【本山氏のご講演】

本山裕之氏は1956年生まれです。福岡県立八女高等学校を卒業後、スペイン留学を経て、国際基督教大学(ICU)を卒業されました。1980年に三井物産へ入社し、糖質発酵部(砂糖部)に配属されました。海外勤務は通算10年間で、商社マンとしては比較的少ない勤務歴とのことです。本店内部監査部検査役を経て、三井物産ケミカル株式会社の常勤監査役に就任し、2021年に退任されました。

講演では、以下のアジェンダに沿ってお話しいただきました。

  1. 総合商社の概念と役割の基礎
  2. 総合商社の誕生と成長の経緯
  3. 主な総合商社の事例と特徴
  4. 社会と経済への影響
  5. 総合商社の現状と将来展望
  6. 私見① 商社の仕事の変遷
  7. 私見② 商社が求める人材 ― 経営人財

講演後には、学生から多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。

以下、学生からの感想の一部を紹介します。

今回の授業では、杉田氏のお話を通して損益計算書の仕組みや流れを理解するとともに、損益計算書・貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書の違いについて改めて確認することができました。1年生の頃に会計学を履修していたため、内容を理解しやすく、復習にもなりました。

また、本山氏のお話からは、総合商社の役割や歴史について学びました。特に、「ミサイルからラーメンまで扱う」という幅広い事業内容が印象に残りました。さらに、環境変化に応じて事業を変化させる姿勢が、以前学んだダイナミック・ケイパビリティと結び付き、企業をより大きな視点で捉えることができた点が興味深かったです。


まず、杉田氏のプレゼンテーションを聞き、改めて経営指標を確認することの重要性を感じました。就職活動中に業界分析や企業分析のために複数の企業の経営指標を確認しましたが、説明会や人からの評判だけでは分からない経営の実態を知ることができ、経営学の知識の重要性を再認識しました。

次に、本山氏のプレゼンテーションでは、三井物産で実際に勤務されていた方のお話を伺うことができ、普段の生活ではなかなか得られない貴重な経験となりました。これまでの総合商社とこれからの総合商社について深く考察された内容を聞き、総合商社という業界に興味を持つことができました。技術や情報が急速に変化する現代だからこそ、自分自身も広い視野を持って物事を考えていきたいと思います。


今回の授業を通して、商社のすごさを改めて実感しました。商社は古くから貿易を通じて日本を支え、時代の変化に合わせてその役割を変化させてきたことが分かりました。かつては貿易が主な業務でしたが、現在ではAIの発達などにより情報を誰もが入手できる時代となっています。そのため、商社は単なる仲介役ではなく、M&Aや新規事業への投資などを通じて企業を成長・進化させる役割を担っていることを学びました。

また、大手コンビニエンスストアがいずれも総合商社と深く関わっていることを知り、商社を身近に感じるとともに驚きました。さらに、会計の知識は企業を判断する「通信簿」ともいえる重要なものであり、貸借対照表や損益計算書から企業の安定性や収益性を判断できることを改めて学びました。商社が投資を行う際にも、このような財務情報をもとに企業価値を慎重に見極めているのだろうと感じました。

(M.M.)