化粧品業界の現状――マーケティングの視点から...現代マネジメントⅠ
6月23日の「現代マネジメントⅠ」では、1987年に経営学部経営学科を卒業し、現在、化粧品製造販売会社である株式会社菊星に勤務する西岡靖裕氏をお招きし、「化粧品業界の現状―マーケティングの視点から」と題して、ご講演いただきました。
ご講演中の西岡氏
西岡氏は、これまでにも経営学部の授業や演習に何度もお越しいただいている方です。大学卒業後はOA機器メーカーに入社し、営業職に従事されました。その後、マーケティングリサーチ会社「消費者行動研究所」に入社し、リサーチ業務に従事されました。さらにマーケティングリサーチのコンサルティング会社に入社し、依頼企業の商品開発や広告開発をサポートされました。
その後、マーケターとして菊星に入社してマーケティング室開設に伴い、商品開発、研究開発に従事。同社では、マーケティング部上席マーケティングアドバイザー、品質管理室室長兼情報管理統括室室長を務めています。研究開発、新商品開発に関するマーケティング業務に加え、薬事、品質保証、知的財産、輸出関係、海外生産、カスタマーサポート、法務、情報管理推進など、幅広い業務に携わってこられました。定年を迎えた現在も、再雇用3年目として業務を継続されており、いまだ現役のマーケターとして活躍されています。
ご講演では、100枚以上のスライドを駆使し、同社の業務内容や店舗展開、販売チャネル、化粧品事業、国内市場の規模などについて解説されました。さらに、製品カテゴリー別・価格帯別の市場規模、メーカーシェアなども紹介されました。
韓国コスメが日本市場を席巻している動向や、これに対して官民一体で日本のコスメの輸出を拡大していく取り組みが始まっている状況なども紹介されました。そのほかにも、紹介しきれないほど多くのテーマについてお話しいただきました。
最後には、就職活動に向けて、業界・企業研究や自己分析の進め方などについても紹介されました。貴重なご講義をありがとうございました。
ご講演の際の教場の光景
学生からのコメント
学生からは、以下のようなコメントがありました。
今日の講義を聞いて、化粧品業界は商品を販売するだけではなく、研究開発や品質管理、法律への対応など、多くの工程によって支えられていることを学んだ。特に、高級化粧品には高価な原料や高度な技術が活用されていることや、化粧品と医薬部外品では認められている効果に違いがあることが印象に残った。また、化粧品会社には製造販売会社や製造会社などさまざまな形態があり、多くの企業が関わりながら商品が作られていることも理解できた。普段は商品の見た目や価格に注目しがちだが、その背景にある仕組みや努力について知ることができ、とても興味深い講義だった。
化粧品業界は気になっていたので終始興味深く、あっという間の時間だった。日本国内において韓国コスメがフランスなどを抑えて輸入コスメ1位になったというのは、現代においていかにアジアコスメの人気が高いかが分かった。そこまでの人気になった背景として、かつて韓国や中国にあった日本の製造会社が撤退し、その後もいまだに工場と製造技術だけが残っているからだというお話が印象に残った。また、中国やイランの情勢により、化粧品業界にも変化が生じていることを踏まえ、どの国の動きも無関係ではなく、世界が相互に依存していることを改めて感じた。
今回の講義を通して、化粧品業界は単に「美」を提供する産業ではなく、製造、研究開発、マーケティング、流通、販売など多様な主体によって成り立つ複雑な産業構造を持つことを理解した。特に、近年は市場環境の変化に対応するために企業戦略の見直しや海外市場への依存、さらにはAIや量子コンピュータを活用した商品開発が進んでおり、化粧品業界が技術革新とも深く結びついている点が印象的だった。また、消費者ニーズや社会変化に応じて業界自体も常に変化していることが分かり、化粧品は単なる日用品ではなく、経済や技術、文化とも関係する存在であると感じた。今後は消費者視点だけでなく、企業や産業全体の動向にも着目したいと思った。
(M.M.)
経営学部