人文科学研究科 仏教学専攻
概要と特色 ※2020年4月に仏教学研究科仏教学専攻へ改組しました。
本専攻の修士課程は1952(昭和27)年に、博士後期課程は1957(昭和32)年に設立されました。その目的は、学生をしてそれぞれの専門分野の研究者として自立させること、及び専門に関して広く豊かな学識を涵養することにあります。
「仏教学専攻」とあるように、本専攻は、本学仏教学部の禅学科と仏教学科の2学科を母体としています。したがって専攻される分野は、両学科に関連する曹洞宗の宗学、禅学一般、禅宗史から、仏教の伝播した広範な地域の宗教・哲学・文化の研究、例えばインド、チベット、中国、朝鮮、日本などの仏教・仏教史研究、哲学・宗教諸派の研究、言語的にはパーリ語、サンスクリット語、チベット語、中国語などによる原典研究にまで及びます。学問的に伝道教化の研究を志す学生、宗教学や宗教民俗学、宗教人類学の分野を研究する学生もいます。
本専攻にはこのような多彩な研究の遂行を指導することが可能な教授スタッフが多数います。禅学、仏教学、哲学、そして宗教学に関わる広い分野が、本専攻の守備範囲と言えます。
本専攻の最近の顕著な傾向としては、博士後期課程で「課程博士号」を取得して修了する学生が増加したことが挙げられます。このことは文部科学省によって打ち出されている大学院充実の方針に呼応したものと言えます。博士後期課程単位取得退学者にも、また修士課程修了者にも研究の継続と業績の積み重ねによる「論文博士」への道が開かれていることは言うまでもありません。
本専攻では、学部に「社会人入試」で入学した人生経験豊かな学生が卒業後、さらに大学院修士課程に進んで学ぶケースも多く見られ、若い学生を交えての刺激的で活気ある研究環境が醸成されています。また駒澤大学以外の大学の卒業生が本専攻に進学してくる例もあり、外に向けての自由な学術交流の気運も活発なものがあります。さらに仏教研究は現在世界的に行われていますが、韓国や中国・台湾などの隣国、東南アジアの仏教に縁の深い諸国からの留学生はもちろんのこと、欧米などから国費援助を得て入学する学生も少なからずあり、その中から課程博士号を取得する学生も出ています。
人材養成目的
修士課程
本専攻は、仏教学における精深かつ高度で専門的な知識を有し、文化の進展と人類の福祉に寄与する人材の養成を目的とします。
博士後期課程
本専攻は、仏教学における精深かつ高度で専門的な知識と自立した研究能力を有し、文化の進展と人類の福祉に寄与する人材の養成を目的とします。
入学者受入方針
修士課程
修士課程では、禅学・仏教学・宗教学等の領域において基礎的な研究能力を培うのみでなく、さらに熱意をもって専門領域の研究に打ち込み、それぞれの領域における高度に専門的な知識を用いて社会貢献のできる人材を育成することを目的にしています。そのため本専攻では、熱意をもって研究に取り組む態度、深い思考力と広い視野を備えたものの見方、誠実に自らを律する姿勢などを持った学生を、年齢や国籍などに関係なく積極的に受け入れています。
博士後期課程
博士後期課程では、禅学・仏教学・宗教学等の領域において想像力を涵養し、将来にわたって自らを律しながら、自律的に研究を進めることのできる人材を育成することを目的にしています。そのため本専攻では、創造的研究に耐え得る能力、研究者としての社会的倫理性を高めようとする意欲のみでなく、高い人格性をもって自らを律する姿勢を兼ね備えた学生を積極的に受け入れています。
単位互換協定校
仏教系四大学:大正大学/立正大学/東洋大学
宗教学分野:國學院大學/創価大学/大正大学/東洋英和女学院大学/聖心女子大学/立教大学