~襷~ 自分の「好き」を貫き、世界とつながるモノづくりの最前線へ
【襷(たすき)】は、駒澤大学に通う皆さんが「どのような社会人生活を送りたいか」をイメージできる、キャリアセンター発の連載企画です。在学生が現在活躍する駒大OB・OGを訪問し、先輩たちのリアルな声をお届けします。
梶田 啓司先輩に、経済学部3年 藤沼・経営学部3年 萩原が取材しました!(2026年8月取材)

興味の原点と人に伝える力を磨いた学生時代
「好き」を深掘りする学びと挑戦
中学生や高校生のころから歴史が好きだった私は、大学では好きなものをより深く研究してみたいと考え、歴史ある駒澤大学の文学部歴史学科を選びました。歴史学科での学びは、まさに自分の「好き」を自発的に探求し続けていく過程でした。
自動車業界に進んだ今、分野は全く異なるように見えますが、「自発的に情報を手に入れて知識を深掘りしていく」という姿勢は現在の仕事にも非常に強く活きています。
集団塾講師のアルバイトで得たコミュニケーションの本質
大学生活で特に力を入れたのが、4年間継続して取り組んだ集団塾の講師アルバイトでした。授業を行ううえで最も重要だったのは、「自分は理解していても、相手には伝わっていないかもしれない」という前提に立ち、どうすれば分かりやすく伝わるかを常に考えることでした。一見すると一方通行に見える授業も、受講生の反応や思考を想像しながら双方向のコミュニケーションとして成立させる意識を持って臨んでいました。
相手の視点に立って物事を伝えるこの経験は、現在の社内でのプレゼンテーションや報告、さらにはグローバルな環境での意思疎通における大きな力となっています。
自分の軸を見つけ、可能性を広げていった日々
興味の先にある「グローバル」と「モノづくり」への関心
就職活動は大学3年生の夏頃、周囲の動向をきっかけにスタートしました。当初は教員免許の取得を目指していた時期もありましたが、より広い世界で多様な人々と一緒に仕事をしたいという思いが強まり、海外に拠点を持つメーカーに目を向けるようになりました。幼少期に海外で生活した際の記憶や、街を走る日本車が現地の人々の生活を支えている光景が心に残っていたことも背景にあります。担当した製品が世の中に出て人々の生活に寄り添うメーカーの魅力と、グローバルな活躍の場を求めて自動車業界を志望軸に設定しました。
大学の外へ飛び出し、社会人と接して磨いた力
就職活動においては、大学内のキャリアセンターの活用にとどまらず、学外の社会人の方々とも積極的にコンタクトを取りました。エントリーシートの添削や面接練習を重ねることで、客観的な視点を取り入れながら表現力を磨いていきました。また、業界研究や企業研究においては、業界全体の中での各企業の立ち位置や特性を深く理解するよう努めました。
完成車を支えるグローバル物流の最前線
1点の欠品も許されない部品物流の役割
現在は本田技研工業株式会社の購買本部 輸入グループに所属し、中国、メキシコ、インドネシアの3拠点および子会社が手配する自動車部品の調達・在庫管理・輸送管理を担当しています。
1台の車には数万点に及ぶ部品が使用されており、1つの小さなパーツが欠けただけでも工場全体の生産が止まってしまいます。毎月の発注管理や海上コンテナのスケジュール管理徹底はもちろん、長距離輸送に伴うトラブル対応など、生産ラインを止めることなく確実に部品を届けることに強い責任感を持って取り組んでいます。
文化の違いを越えた対話と「作る喜び」の追求
海外からの物流には、輸送過程での部品の変形や損傷、国際情勢や関税の影響など、予期せぬトラブルがつきものです。そうした問題が起きた際は、現地のスタッフと英語や通訳をえて綿密に協議し、生産を止めないための最適な判断を下します。
業務の多くでは英語を用いて現地スタッフとやり取りを行いますが、言語の壁や文化・考え方の違いから伝わりにくさを感じる場面もあります。だからこそ、普段から相手の立場に立った丁寧な説明や確認を重ね、関係者との合意形成を図りながら業務を着実に前へ進めることを心がけています。
こうした難しさと向き合う日々だからこそ、コンテナの積載効率を高める工夫によって大きな金銭的貢献をもたらすなど、自身の取り組みが明確な成果として目に見えたときには大きなやりがいを感じます。若手の頃から責任ある仕事を任される環境の中、社風である「ワイガヤ」のように立場に関わらずフラットに意見を出し合い、「3つの喜び(買う喜び・売る喜び・創る喜び)」という基本理念を胸に、世界中のお客様にお届けする完成車づくりを支えています。
知識と経験を深め、もっと大きなフィールドへ
年次を問わず意見を交わせる「ワイガヤ」の精神
ホンダに入社して感じた魅力は、社員一人ひとりの「チャレンジ」や「夢」をとても大切にする社風です。「この業務を通じてどんなことに挑戦したいか」「将来どう成長したいか」を日々問われ、背中を押してもらえます。
また、社内には自由で活発な議論を行う「ワイガヤ」という文化が根付いています。ミーティングの場でも年次や立場に関わらずフラットに意見を出し合うことができ、上司も真摯に耳を傾けてくれます。自分の考えをしっかりと持ち、周囲と対話しながらより良いものを作り上げていく環境が整っています。私自身、ホンダフィロソフィーにある「3つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」のうち、特に「創る喜び」を大切にしています。自分たちが届ける部品の先には、車を購入してくださる世界中のお客様がいます。その期待に応える品質と生産を支えることが、私の仕事における大きな信念となっています。
物流の知見を強みに、幅広い領域へ
今後は、現場に一番近い物流という領域で「モノづくりの構造」や貿易・物流の知識を完璧に磨き上げたいと考えています。そのうえで、身につけた現場の知見や語学力を強みに、生産管理や営業関連の領域、さらには海外駐在も含めたグローバルな舞台など、ホンダの幅広いフィールドで活躍できる人材を目指して挑戦を続けていきます。
後輩たちへのメッセージ
自分の可能性や範囲を無理に狭めないでほしい
在校生の皆さんへ一番伝えたいのは、自分で自分の可能性や選択肢を無理に狭めないでほしいということです。後輩たちと話をしていると、時折「自分はこのくらいでいいんです」と控えめに線を引いてしまう姿を目にすることがあります。もっとできるはずなのに自分から範囲を狭めてしまうのは、本当にもったいないと感じています。もちろん一番上を目指すことだけが正解ではありませんが、自分が本当にやりたいことの先にある目標なら、遠慮せずそこを目指すべきです。無理に自分の可能性や自分の範囲を狭めないで、しっかり視野は広く持って、どんどん挑戦していってほしいなと思っています。
諦めずに逃げずに向き合えば、必ず望む未来に辿り着ける
私自身も就職活動の最中、「もうこのあたりでいいかな」と妥協しそうになった時期がありました。しかしその時、「自分が本当にやりたいことって何だろう」ともう一度自分問い直し、「もっと大きな世界で働きたいなら、もっと上を目指すべきだ」と思い直して挑戦を続けました。
自分が本当にやりたいことを見つめ直し、諦めずに挑戦し続けていれば、いつか必ず納得のいく場所に辿り着くことができます。途中で諦めたり逃げたりせず、自分の能力と可能性を信じて高い目標に挑み続けてください。応援しています。
おわりに~インタビュアーの感想~
梶田先輩のお話から、挑戦を支える具体的な準備の大切さを学びました。特に、自分の就職活動の軸を持ち、社会人の方々に相談しながら、エントリーシートの添削や面接練習を重ねていたことが印象に残っています。現在就職活動に取り組む私も、自分の可能性を狭めず、周囲との対話を通じて視野を広げながら、納得できる進路に向けて行動していきたいと思います。(萩原)
今回のインタビューを通して、梶田先輩の「自分で自分の可能性を狭めないで」という言葉に深く背中を押されました。お話を伺う中で、学生時代の「好き」を深掘りする姿勢や、困難から逃げない覚悟が、グローバルな舞台での活躍に繋がっているのだと実感しました。私自身も現在、目標に向き合う中で、無意識のうちに「これくらいでいい」と妥協しそうになる瞬間がありました。しかしこれからは限界を決めず、自分と向き合う姿勢を胸に、最後まで諦めずに残りの学生生活を全力で駆け抜けます。(藤沼)
[著]・[聞]経済学部3年_藤沼蛍斗 ・経営学部3年_萩原剛
[写] キャリアセンター_木下恵
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