駒澤大学

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平家物語 葉子十行本

今日の一冊

江戸初期頃写
12冊
平仮名書き、各数10行、粘葉装
沼沢文庫蔵

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「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす」

とはじまる、平家の興亡を材とした、鎌倉前期の軍記物語である。成立年ともに未詳。その構成の基調としてあるのは、仏教で説く無常観に負うところが大きい。

本書は12巻の後に灌頂の巻を付す、いわゆる平曲一方流の台本である。特徴は巻第10末に中世の中期に完成した覚一本に欠いている「宗論」、巻第十一には江戸初期に成立した流布本ではすでに欠けている「剣」と「鏡」の両巻がある。そして、詞章においては覚一検校没後約100年、最も平曲の盛んであった室町時代のものを伝えていて、特に注目されている。

本学蔵本と同一系統の写本は京都府立図書館にある。また、同一系統であるが1丁の行数が異なり、漢字が多く使用されている写本が米沢図書館にある。

本学元教授冨倉徳次郎編『日本古典全書平家物語』朝日新聞社刊は本学蔵本を比較対照して、米沢本を定本としている。

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