(官板)実測日本地図
今日の一冊
伊能忠敬実測
慶応3(1867)
蝦夷諸島、北蝦夷、畿内・東海・東山・北陸、山陰・山陽・南海・西海
伊能忠敬は江戸時代の地理学者、測量家である。
伊能図は伊能忠敬が測量した地図の略称であり、先ごろ大図・小図が相次いで発見されるなどして話題になったことで知られる。本図は伊能図の小図を基準に編纂された、同図の初版行図である。小図は縮尺43万2000分の1で、地名その他の記載の省略が多い。長らく幕府の紅葉山文庫に秘蔵され、一般には利用されなかったが、慶應3年(1867)開成所から小図を4舗として版行されたものである。
本学所蔵は慶應3年刊で4舗揃えであり、揃えのものは極めて珍しく、古書店がフランスにあったものを入手したようである。