駒澤大学

  • サイト内検索
  • 入学資料請求
図書館Library

鉄砲伝来

今日の一冊

南浦文集
慶安2(1649)、H152.2/16-1
日本一鑑
(H022.2/4)

「鉄砲は天文12年(1543)8月、ポルトガル船に乗った中国人によって種子島に伝えられた」

これが現在の教科書に記載されている「鉄砲伝来」である。

ところが「鉄砲は日本各地に伝えられ、種子島はそのうちの一箇所である」とする新説が現れ、それに対してやはり「種子島が日本に伝えられた最初の土地である」との反論が出されている。

これはNHKニュース(9月21日放送)の特集「揺れる鉄砲伝来」のかなり大雑把な要約である。そしてこの2冊はその際に証拠として紹介された資料である。

『鉄炮記』は1630年頃、種子島の僧侶が著したもので、「五峯」(?-1559)という人物が、南蛮人の商人と島人たちとの交渉役を務めたとある。しかし、この五峯とは、密貿易を行っていた倭寇の有力なリーダー「王直」と同一人物であった。鉄砲はその密貿易品の一つであり、おそらく日本各地で取引が行われたと思われることから、種子島の他の地域にも同時期に複数の鉄砲が伝来したのではないか、とするのが新説である。

その反論は日本、中国、ポルトガルの記述が、「種子島に最初に伝わった」と一致していることを根拠とする。日本の『鉄炮記』のほか、中国では明時代の日本研究書『日本一鑑』に「始教種島」と記述があり、ポルトガルにはモルッカ総督アントニオ・ガルバン(?-1557)の『Tratado dos descobrimentos』やイエスズ会の神父の著書にも同様の記述がある。
鉄砲は戦国時代の戦術を大きく変化させ、時代の移り変わりに影響を与えた兵器だ。だが、その鉄砲がどうやって日本に伝わったかも、まだ変化しそうである。

< 前の書籍へ | 次の書籍へ >

図書館