発心集(ほっしんしゅう)
今日の一冊
鴨長明(1155-1216)著
8巻2冊、1651刊
沼沢文庫136(Kompass未登録)
今回は平成19年度駒澤大学入試問題に使われた文献を紹介する。
禅、商、心理、法律学科を受験した方は覚えがあるだろう。もしかしたら、苦戦したかもしれない。
『発心集』は『方丈記』で有名な鴨長明が著したもので、鎌倉期の仏教説話集(成立年不詳)。本学図書館で所蔵するものは、慶安4(1651)年の流布本。
悟りを求め、仏の道に入る話といった、人の内面に踏み込んだ説話が多い。他の人間に読ませるのではなく、自分の信仰のために説話を集めたといわれる。
修行の一つとして書かれた『発心集』から、人の情を説いた説話が入試に出題された。新入生はもちろん、私を含め全ての人がこの意味を考えたい。