仏教学部の舘 隆志准教授を研究代表者とする研究プロジェクトが、公益財団法⼈本庄⼋郎記念お茶財団の2026年度助成事業に採択されました。
仏教学部禅学科の舘 隆志准教授を研究代表者とする研究プロジェクト「中世茶の伝播と系統に関する研究―古茶樹DNA解析による検証―」が、公益財団法⼈本庄⼋郎記念お茶財団の2026年度助成事業に採択されました。
本研究は、駒澤⼤学を代表機関とし、静岡⼤学(静岡県静岡市)および⼊間市博物館(埼⽟県⼊間市)との共同研究として2026年8⽉より本格的に始動しており、⽂献史料を中⼼に論じられてきた⽇本中世の茶⽂化形成過程に対し、植物遺伝学の⼿法(古茶樹のDNA解析)を組み合わせて学際的‧実証的に解明を⽬指す⽂理融合の取り組みです。
今回、駒澤大学・静岡大学・入間市博物館の3機関が、それぞれの立場からプレスリリースを行います。
研究の概要
本研究は、日本中世における茶の伝播と系統について、禅宗史・仏教史の文献史料研究と、現存する古茶樹の遺伝子解析を組み合わせ、学際的に検証する取り組みです。奈良・平安期の伝来、鎌倉期の栄西による再伝来など、これまで文献史料を中心に論じられてきた茶文化の形成過程を、植物遺伝学の知見と接続することで、より実証的に明らかにすることを目指します。
解析にあたっては、舘准教授が禅宗史・仏教史研究を通じて蓄積してきた喫茶文化に関する文献学的知見と、静岡大学・山下寛人氏が進めてきた茶樹の集団遺伝学的解析手法を組み合わせ、さらに入間市博物館が進めてきた中世茶の再現研究の知見も合わせて、全国各地の寺院に伝わる古茶樹を中心に、史料上の記録と現存個体との対応関係を検討します。
調査対象地域
永源寺(近江・滋賀県)、円覚寺(鎌倉・神奈川県)、建長寺(鎌倉・神奈川県)、興聖寺(宇治・京都府)、慈光寺(都幾川・埼玉県)、浄智寺(鎌倉・神奈川県)、清見寺(興津・静岡県)、長楽寺(世良田・群馬県)、東福寺(東山・京都府)、永光寺(能登・石川県)、霊山院(都幾川・埼玉県)(寺院名のあいうえお順)ほか。
調査は現在も進行中であり、現地での確認が進むにつれて対象地域は今後も増加する見込みです。このほかの寺院についても、茶樹の現存が確認された場合には順次調査対象に加えていきます。
研究体制
・研究代表機関:駒澤大学
・研究代表者:舘 隆志(駒澤大学仏教学部禅学科准教授)
・共同研究機関:静岡大学、入間市博物館
・遺伝解析協力:山下 寛人 氏(静岡大学農学部応用生命科学科助教)
・調査協力:小田部 家秀 氏(入間市博物館 学芸員)ほか、各地の協力機関
・永源寺(近江・滋賀県)、円覚寺(鎌倉・神奈川県)、建長寺(鎌倉・神奈川県)、興聖寺(宇治・京都府)、慈光寺(都幾川・埼玉県)、浄智寺(鎌倉・神奈川県)、清見寺(興津・静岡県)、長楽寺(世良田・群馬県)、東福寺(東山・京都府)、永光寺(能登・石川県)、霊山院(都幾川・埼玉県)(寺院名のあいうえお順)ほか。
研究の意義
本研究は特定の一地域・一寺院の茶を対象としたものではなく、中世の茶の栽培の記録がある日本各地の寺院に残る古茶樹を横断的に調査し、中世における茶の伝播経路を広域的に検証する文理融合の研究です。成果は、各地に伝わる茶の歴史的背景を学術的に裏づけるとともに、希少な茶樹遺伝資源の保全にも資すると期待されます。
今後の予定
研究期間は2026年8月から2027年7月まで。現地調査・試料採取を経て、DNA解析による系統比較を行い、成果は学術論文および報告会等を通じて順次公表する予定です。
※本研究は、各地の寺院に伝わる古茶樹のDNA解析を通じて中世における茶の伝播と系統を実証的に検証することを目的とするものであり、現時点で特定地域の茶のルーツを断定するものではありません。各機関の発表にあたっては、本調査の結果が地域の茶文化の歴史的背景の解明につながる可能性がある、という表現の範囲で記述を追加いただくことは差し支えありませんが、断定的な表現は避けていただきますようお願いいたします。

