駒澤大学

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平成29年度 学位記授与式(卒業式) 学長式辞

Date:2018.03.26
駒澤大学 学長 長谷部 八朗
学位記授与式会場

卒業生・修了生の皆さん、ご卒業・ご修了おめでとうございます。また、ご家族をはじめとする関係者の皆さまには、心より御祝いの意を表しますと共に、本学へのさまざまなご支援に対し、厚く御礼申し上げます。

卒業生・修了生の皆さんは、春光うららかなこの良き日、人生の新たなステージに向けて、学窓を巣立たれます。皆さんの脳裡には、学園生活で体験したことのあれこれが、去来していると思います。そこには、うれしく楽しい体験ばかりでなく、つらく苦しい体験も入り交じっていることでしょう。しかし、それらはいずれも、皆さんが本学で過ごされた学園生活の思い出を構成する、貴重な1コマであり、1頁なのです。皆さんは、そうした体験を重ねながら歩みつづけたからこそ、今日という日を迎えられたのです。あるいは未だ、実感できないかも知れませんが、皆さんは、入学した時に比べ、確実に成長しています。卒業・修了に要する単位の高いハードルを越え、見事に学位を取得されたことが、その成長の証しです。

卒業・修了証書を手に、支えてくださったご家族、友人、教職員をはじめとする関係者の方々への感謝の気持ちを胸に刻みながら、次なるステージへと、新たな一歩を踏み出してください。

その際、これから社会に飛び立つ皆さんに求められるのは、まず、世界の動向あるいは日本の抱える課題を認識することです。

一つは人口問題といえましょう。日本は人口減少時代に突入し、世界各国の人口も激変の中にあります。人口の減少は、労働力の低下に直結し、従来の生活を維持するだけの国力を保持することが、困難になると見込まれます。労働人口の減少に対しては、個人の生産能力を向上させること、科学技術たとえばICT、IoT、 AIの利活用を実用化させることなどによって対応しなければならなくなるでしょう。

また、人口減少と関連する大きな問題は、地方の衰退です。地方活性化に向けてさまざまな施策が講じられておりますが、人口を増やすために、国内における外国人との共生が一般化し、その結果、「多様性を受容する」いわばダイバーシティ社会の到来が加速化することも予測されます。日本各地で多言語・多文化と固有の地方文化の共存・共生が一段と要請されてくると思われます。

さらには、極端な高齢化現象が現出しています。もちろん、先端の科学技術力を利活用して対応する必要はあるでしょう。しかし、そこには科学技術では対応できない「心」の問題が残ります。科学技術の発展は今後ますます進むと考えられますが、その発展が、個人と個人の心のつながりを欠くことの代償の上にもたらされるとすれば、そうした社会は、人間味のない、はなはだ殺伐としたものになりかねません。

私たちは、世界の平和、世界経済や世界政治の動向について、知識と関心を持ちつづけるべきであります。この置かれた世界情勢や環境とみずからの存在を絶えず相対視しつつ、私たちは、みずからの人生を主体的に築き上げなければなりません。本学で学んだ皆さんには、人生を築き上げる哲学として、仏教の言葉で言うところの智慧と慈悲の心を保ち、人間関係を大切にし、利他の精神で道を切り拓く信念の上に立って、大学で学んだ教養、専門的知識やスキル、思考力、判断力、表現力を駆使しながら、当面する課題解決へ果敢に挑む生き方を実践されるよう念願しております。

社会に飛び立ったのちの皆さんと駒澤大学の関係は、単に母校の同窓というだけではありません。皆さんの人生は駒澤大学と生涯にわたり繋がっているのです。私たち駒澤大学に働く教職員、駒澤大学の関係者は、これからも皆さんを応援しつづけます。

最後になり恐縮ではございますが、本日学位を取得し、ご卒業・ご修了の栄に浴される方々を、陰になり日向になり支えてこられたご家族並びに関係者の皆さまのご苦労を心よりねぎらうと同時に、本日のご卒業・ご修了の喜びを共にしたいと思います。

本日は、誠におめでとうございます。

平成30年3月23日、24日
駒澤大学 学長 長谷部 八朗