駒澤大学

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平成31年度 入学式 総長祝辞

Date:2019.04.12
駒澤大学総長
入学式会場

本日ここに平成31年度駒澤大学入学式にあたり、晴れて本学に入学を許可された皆さん、ご入学おめでとうございます。併せて物心両面でご後援くださるご親族関係者の皆々さまに対し、ご列席の来賓各位と共に、教職員一同、ご子息、ご息女のご入学を心からお祝い申し上げます。

ご案内の通り、駒澤大学は仏教の教え、並びに曹洞宗立宗の精神を建学の理念として開学し、本年で137周年を迎える輝かしい伝統を誇る大学です。さらに淵源をたどると427年前、江戸駿河台にあった名刹吉祥寺に開設された旃檀林学寮に始まります。校歌の中で旃檀林旃檀林とリフレインされる由来です。「旃檀は双葉より香んばし」という旃檀の林に住むことができるのは百獣の王の獅子だけだと禅書に出る語です。旃檀林の本学で学ぶ皆さんは、これほどの凛乎とした気概を持って、それぞれの専攻課程の学問を存分に修得されますよう念願します。

本日は、お釈迦さまがお生まれになったお花まつりの祝日でもありますが、紀元前5世紀のこと、仏教を開いた釈尊は、青年時代に、自分は何のためにこの世に生まれたのか、この世の人生を何(ど)う生きたらいいのか、深く思い悩まれ、坐禅を行じ抜いて、人生の大事はいのちのリアリティーに目覚めること、すなわち慈悲と智慧の心をそなえた人間に成ることだとさとられたのでした。

永平寺のご開山道元禅師も總持寺のご開山瑩山禅師も、両祖様は生涯釈尊の教えを讃仰されました。道元禅師はその消息を名著『正法眼蔵』(しょうぼうげんぞう)の中でこう述べておられます。「仏道をならうというは自己をならうなり、自己をならうというは自己をわするるなり、自己をわするるというは万法に証せらるるなり、万法に証せらるるというは自己の身心、他己の身心をして脱落せしむるなり」と明言します。坐禅の中で自己のいのちのリアリティーが露わになると、自分と他人を隔てていた壁は崩れ落ち、あらゆるものと呼び応(か)わし縁起している本来の自分の姿が明らかになるというのです。やがては山川国土も、種々様々に産まれ出るあらゆる生命体も一回性のかけがえのない命として現象していることに気づかされるというのです。このようにさとる時、この世のありとしてある、限りあるはかないいのちたちを我がこととしていとおしめるはずだというのです。

現代社会は、自分の利益のためなら人はどうなっても構わない、金になるなら人命を損なうことになっても構わない、といった風潮が蔓延し、人間性の劣化は目に余ります。誰も置き去りにしない持続可能な世界を建設していくことこそ、私たちの使命でなければなりません。

本日、本学に入学された皆さんには、是非とも本学の建学の理念を拳拳服膺していただき、いのちの原点に想いを巡らし、自分が信じる人生、誠を尽くせる人生、敬うべき、愛すべき人生は何か、問い続け、本物の学問、本物の教養を身につけていただきたいと願う次第です。

本学の恵まれた教育環境の下で、専攻学科の最新の学問技能を修得することは当然のこととして、皆さんがそれぞれに味わい深い、実り豊かなキャンパスライフを楽しんでくださることを願いつつ、身心堅固に無事学業を成就されますよう心から祈願し、一言祝辞といたします。

平成31年4月8日
学校法人駒澤大学 総長 池田 魯參