学部・大学院Academics

フランス語

フランス語の授業は、学部・学科によって異なり、必修・選択の区別もありますが、文法的知識の修得を主とする1年間学習のクラスと、中級程度の講読にまで到る2年間学習するクラスとが、数的にも、中心となっています。さらに、より高度のフランス語を習得できるよう、「フランス語・コミュニケーション」の授業や、会話・作文等を行なう「スキルアップ・フランス語」のクラスが、2、3、4年生を対象に設けられています。近年のコミュニケーション重視の考え方によって、「堅苦しい文法・きゅうくつな読解」というかつての授業のあり方から、視聴覚教材を重視した、実際的な「役に立つ」語学の授業へ、という変化が認められます。教科書も、いたずらに細かな知識をつめこむのではなく、実用的な、簡単な生活上の表現の習得をめざす傾向に変わりつつあります。とはいえ、時間数に一定の制約があり、多人数で行う大学の授業の枠の中では、理想的な語学習得はなかなか困難ですが、でも、その現状から、まずは忍耐強く、一歩一歩、出発していくほかないでしょう。
言葉の学習は、同時に、その言語の文化圏への接近でもあります。文法の規則を、そのまま暗記しようとするのではなく、そのような規則に応じて形成されている文化的なさまざまな表現の在り様に眼をとめ、興味をそこに集中させることを通じて、より広範囲な、高度なものの見方を身につけること、そのほうが、かえって、言葉の習得を促す、より実用的な方法なのかもしれません。言葉の習得の過程じたいが、文化的な体験の核となり、将来の現実的な文化接触の際の、対応の準備過程ともなっていることが期待されます。
フランス語教室は現在、専任教員3名と、10名の非常勤教員から構成されています。どの先生方も、フランス語のみならず、フランス文化について専門的な知識を有していますし、フランス文化の理解に際して、皆さんへの助言者となり得ることを希望しています。

教員紹介

教授:東 辰之介
【フランス文学】
主な担当科目:名文で味わうフランス語

研究テーマ:19世紀フランス文学。特にバルザック。
学生へのメッセージ:未知の言語との接触は、新鮮な驚きに満ちた体験です。それまでは漠然と間接的にしか知らなかった文化や社会が、新たな言語を通じて急に身近で具体的な存在となり、その分だけ自分の可能性が広がるように感じられます。フランス語を話せるようになりたい、読めるようになりたいという願望を、とにかく大切にしてください。
教育方針:ある外国語を初めて学ぶことは新鮮な魅力に満ちた行為ですが、その魅力は無条件にいつまでも持続するものではありません。文法や発音のルールを理解しつつ、一つ一つの単語や表現を記憶するという地道な作業があってこそ、常に新たな気持ちで学習を続けることが可能になるのです。外国語学習は、登山に似ています。途中疲れることもあるでしょうが、進めば進むほど美しい景色が見えてきます。私たちがそのガイドを務めますので、頑張ってついてきてください。

教授:小黒 昌文
【フランス文学】
主な担当科目:外国文学

自己紹介:1974年春、お茶の水にほど近い大学病院にて出生。幼いころに何度か引越を重ねましたが、大学卒業までの年月は東京都内で過ごしました。その後、大学院入学とともに京都に勉強の場をうつし、博士課程に進学した年の秋から渡仏。パリ郊外、ブローニュの森の南西にひろがる街サン=クルーに建てられた大学寮で1年ほど生活し、寮の閉鎖にあわせてパリ市内に引っ越してからは、セーヌ川に浮かぶ島のなかにちいさな部屋を借りて、さらに2年を過ごすことになりました。そして帰国後は、豊かな出会いに支えられた京都での生活を、さらに7年にわたって経験するという幸運にめぐまれます。
場所が変わり生活が変わるなかで、時間はだけは淡々と、留まらずに流れてゆくことを躊躇わないようにも感じられますが、いくつかの土地で過ごした日々は、いずれも自分にとって大切なものだったように思います。
2010年春、本学への赴任を機に、ふたたび東京での生活を始めることになりました。専門は19世紀末から20世紀初頭のフランス文学・文化。とくにマルセル・プルースト(1871-1922)という作家の生と作品が研究対象で、大学ではおもにフランス語の授業を担当します。新たな場で多くの学生さんたちと交流できることを楽しみにしています。

講師:後藤 はるか
【フランス文学】
主な担当科目:現代を読むフランス語

フランスのコトバをはじめてじっと見つめたのは、たぶん高校時代、学校の図書館で日本の近代詩人の布張りの本をそっとひらいた時のことでした。日本語の文字の間に現われた読みも知らないそのコトバは、ページという窓いっぱいの空に瞬く星でした。そのころ、私はブンガクという得体の知れないものにいつか近づきたいと夢みるようになっていました。時が過ぎ、様々な作品に出会える道にやっと辿りつき、ブンガクをなすはずのかたちなきコトバの、けっして触れられないそのてざわりを求めるようになるうちに、この世界に、よくわからないのにおもしろいとわかる作品が沢山あるのを知りました。さらに時が過ぎ、アイルランド生まれのベケット(1906-1989)、フランス領インドシナ生まれのデュラス(1914-1996)、そしてロシア生まれのサロート(1900-1999)という、フランスに生まれずにフランス語で ―― ベケットの場合は英語と同じくらいフランス語で ―― 書き、小説以外にも、劇や映像など、多様な創作をした作家たちの作品に魅せられるようになると、この世界には、未知の表現が数かぎりなくあるのだと、ひしと感じはじめたのでした。
そんな私は、ブンガク探求の道なかばで出会える方々とともに学ぶ時間を、たいせつに過ごしています。

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