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アンドロメダ病原体(Michael Crichton マイケル クライトン著)

眼横鼻直(がんのうびちょく・げんおうびちょく)
Date:2016.11.02

アンドロメダ病原体(原題:The Andromeda Strain)
Michael Crichton(マイケル クライトン)著:浅倉 久志 訳
2012年4月・早川書房
請求記号 080/22-1585
Kompass 書誌情報

目に見えない病原体は怖い。
未知なことは、恐怖心をかきたてる。
思い込みは、判断を誤らせる。

Science Fiction小説に分類されるであろうこの本の内容を紹介するなら、こういった事ではないでしょうか。しかし今回は、この本の著者について、紹介したいと思います。彼は、ハーバード大学の医学部で学びながら小説を書き始めたそうです。小説家は文学部出身、とは限らないのですね。ところで、彼の小説で取り上げられる現場は、必ずしも病院ではありません。「アンドロメダ病原体」も例外ではなく、舞台は"秘密の研究施設"です。例えば、彼の作品に「JURASSIC PARK(ジュラシックパーク)」があります。テーマパークにアトラクションがあるくらい世界的に有名な作品ですが、その舞台は植物がうっそうと繁った森の中であり、決して病院の建物内ではありません。おまけに、登場するのは恐竜で、医学部の学生が使う専門書に載っていたとは到底思えません。医学部で学びながら小説を書くことが本人の本意だったかは分かりませんが、結果的に、彼にしか書けない小説がたくさん発表されました。大学生のうちに、いろんなことに興味を広げ取り組んでみることは、その後の人生でかけがえのない財産になります。日本の大学生は、理系、文系、科目名、といったカテゴリー分けに無意識のうちに縛られがちです。苦手だ、嫌いだ、と思い込まず、敢えてその異分野に興味を持ってみるのも、悪くないかもしれません。この本は、そんなことも教えてくれます。

ちなみに、"秘密の研究施設"内に導入されているパソコンや連絡手段は、びっくりする程の低機能です。くれぐれも、この作品が40年近く前に書かれたものであることを忘れないでください。当時の最先端技術はこんなものだったのか、とか、この数十年でこんなに進歩したのか、という視点でも、内容を楽しんでみてください。

医療健康科学部 講師 岡田 朋子

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