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美術の物語(E.H. Gombrich エルンスト・ハンス・ゴンブリッチ著)

眼横鼻直(がんのうびちょく・げんおうびちょく)
Date:2017.02.01

美術の物語
エルンスト・ハンス・ ゴンブリッチ(E.H. Gombrich)著:天野 衛 訳
2011年 ファイドン社
請求記号 702/281
Kompass 書誌情報

美術史の古典的名著である『美術の物語』を紹介します。著者のアーネスト・ハンス・ゴンブリッチは、ロンドンのウォーバーグ研究所所長であり、ロンドン大学で1976年まで美術史の教授を務めていた学者です。本書は何十年も世界的なベストセラーとして読まれてきました。
文学や文化をよりよく理解するためには、美術や建築を学ぶことが大変重要です。ゴンブリッチは芸術家や建築家がどのような問題に直面しているのか、どのようにその問題を解決しようとしたのかということを、読者にわかり易く説明しています。本書は28章に分かれ、原始の洞窟美術から現代の実験芸術までの異なる時代の特徴を豊富な図版と共に解説しています。
第1章「不思議な始まり」は、「言葉がどのようにして起こったのか誰にもわからないように、芸術がどのようにして起こったのか誰にもわからない」という文章から始まり、章の終わりを「絵画と文字が血縁関係にあることが実感されたであろう」と結んでいます。ゴンブリッチは、イメージの形成と最初の著述形式の関連を探り、人間の意思伝達について探求しています。著者は、芸術作品の歴史的、文化的文脈を考慮しながら、視覚文化とそれを言葉でどう表現するのかということを説得力ある文章で説明しています。
さらに著者は、芸術を鑑賞し、知的に表現するためには、芸術をまず自分の目で見て自分自身の意見を形成することを読者に推奨しています。最終章は、「果てしなき物語――モダニズムの勝利」と題されて、結論を出さずに、読者に芸術作品についてさらなる好奇心を持ち続けるように促しています。このように本書は、芸術に関心のある人には、ぜひお薦めしたい書物です。

文学部英米文学科 教授 モート・セーラ


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