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殺さないで : 児童虐待という犯罪(毎日新聞児童虐待取材班著)

眼横鼻直(がんのうびちょく・げんおうびちょく)
Date:2017.11.01

書名「殺さないで 児童虐待という犯罪」
著者 毎日新聞児童虐待取材班
出版者 中央法規出版
出版年 2002年9月
請求記号 369.4/1053
Kompass 書誌情報

児童虐待という言葉は、ニュース等を通じて今では多くの人が知っているだろうと思います。
大学生の皆さんにはそれ以上に身近な問題ではないかもしれませんが、さらに一歩深くこの問題を知ることが、いつか誰かを救うことに繋がるかもしれません。
「知識は力になりうる」、本書を通じてまずはそのことを知ってほしいと思います。

本書第一章「児童虐待の現実」の想像を絶する事件内容に対しては、多くの人が虐待者に対して強い憤りを抱き、重い処罰を望むことでしょう。しかし同時に、加害者を責めるだけでは問題は解決しないという厳しい現実にも気づかされるはずです。辛いですが、この章で止めずに最後まで読んでください。
第二章以下では、「虐待を防げなかったのはなぜか?」を考察していきます。日本には、児童虐待防止法や児童相談所といった法律や機関がある(できた)こと、しかし、未だその内容が十分ではないことが、実例を交えて紹介されます。
さらに、たとえ虐待から救出されてもそれで終わりとはならないことが、第五章「残された課題」で示されます。読み終えたときには、この問題の根深さや対応の難しさに暗澹たる気持ちになるかもしれません。
しかし、本書を読み終わった際には、この大きな闇に対して、自分にできることがあることも具体的にわかるでしょう。

本書のもう一つ優れた点は、社会制度や仕事の仕組みについて具体的なイメージを抱くことができる点です。法律や制度は、社会問題の後追いですから、どうしても対応が遅れ、担当者だけが非難されがちです。児童虐待についても例外ではありませんが、非難に終始するのではなく、様々な分野の人(一般人も含まれます)が連携して行動したからこそ、社会(制度)をここまで変えられたのだということも読み取って頂きたいと思います。

11月は児童虐待防止推進月間です。
学部を問わず、これからを生きる皆さんにぜひ読んで頂きたい1冊です。

法学部 講師 富樫 景子

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